- 蓼科山:山登りの記録
- Introduction:岩だらけの山頂と北八ツの池を巡る周回コース
- まずは岩の覆う山頂台地へ
- 山頂は無数の岩で埋め尽くされた異空間
- 大河原峠から風そよぐ草原の広がる双子山へ
- 静けさの中にある双子池、亀甲池へ
蓼科山:山登りの記録
日程:2021. 7. 17(日帰り)
天候:晴れ
コースタイム
竜源橋 6:00 → 女乃神茶屋・登山口 6:20 → 幸徳平 7:40 → 蓼科山 8:45 - 9:25
→ 将軍平 9:50 - 10:00 → 大河原峠 11:05 → 双子山 11:30 - 12:20
→ 双子池 13:00 → 亀甲池 13:50 → 天祥寺原 14:10 → 竜源橋 15:30
登山時間:9時間30分
Introduction:岩だらけの山頂と北八ツの池を巡る周回コース
タイミングよく梅雨明けしてくれた7月後半の週末。
夏山第一弾に選んだのは蓼科山。
「諏訪富士」とも呼ばれるきれいな円錐型をした山なので、八ヶ岳連峰の北端に位置はしているものの、独立峰の様相もある。
そして、この山を最も特徴づけるのは、ネタバレにはなるが、山頂に広がる岩の台地である。
やや余談になるが、蓼科山に登るのは、実は初めてでない。
山を始めるずっと昔、学生時代に研究室の夏合宿で蓼科を訪れ、その時に教授の思い付きで登山をしている。
「来たい者だけ、付いて来なさい」って感じで(苦笑)
急な企画だったので、装備なんて用意はなく、スニーカーにショルダーバックである。
今思えば、怒られてしまいそうだが…。
そんな何にも知らない状態で山頂に立ったものだから、その異様とも思える光景には大そう驚いた記憶が鮮明に残っている。
20年ぶりに、その景色を見に行こうではないか。
今回だが、2週間後に2泊3日の北アルプス縦走を予定していたので、しっかり歩いておきたい。
ということで、単純に山頂ピストンだけでなく、周回コースを計画した。
蓼科山登山のルートはいくつかあるが、ビーナスラインの通る女乃神茶屋が起点。
南側から蓼科山に登頂して、その後、大河原峠から双子池、亀甲池を巡って竜源橋に戻って来るコース設定である。
まずは岩の覆う山頂台地へ
早朝のビーナスラインを流し、蓼科の別荘地を抜けたあたりにある竜源橋。
橋のたもとに10台分ぐらいの駐車スペースがある。
登山口の女乃神茶屋(すずらん峠)に大きな駐車場があるが、ここに下山して来る予定なので、最後の車道歩きをなくすため、ここをスタートとする。
6:00 竜源橋(登山開始)
女乃神茶屋登山口に向かってビーナスラインの車道を歩いて行く。
程なくして女ノ神展望台。
八ヶ岳の稜線もばっちり。
あまり堪能してしまうと山頂からの眺望の感動が低減?するので、程ほどにして先に進む。
竜源橋から20分で女乃神茶屋登山口に着き、ここからが本番。
登山道のスタートは気持ちのいい広葉樹の森。
朝の光が差し込む。
すぐに一発目の急登が始まる。
頭上にはすっかり夏の日差しで眩しいほどの青葉。
30分ぐらい登ると、あたりは八ヶ岳らしい苔の世界に様変わりした。
少し開けたところから振り返れば、中央アルプスと御嶽山がきれいに見える。
シラビソとダケカンバ、そして苔の緑色が美しい。
ルートは緩急があって、平坦な区間では自然を楽しみながらのんびり進む。
徐々に大きな岩も増えてきて、手も使いながら登って行く。
視界が開けると、これぞ夏山!って感じの山々が見渡せた。
この立ち枯れは縞枯れ現象なのだろうか?
それにしても空が青い。
空が近くなって来た感じがして、前方には岩々も見えて来た。
そして、山頂付近に広がる岩塊地帯に突入である。
同時に眺望も一気に開ける。
いやこれ、控えめに言っても最高でしょ。
山頂まで最後の登りを行く。
岩だらけだが、矢印とポールに沿って行けば大丈夫。
8:45 蓼科山
最後はちょっとショートカット気味に岩を登り、三角点のある蓼科山頂上に到着。
女乃神茶屋の登山口から2時間半での登頂だった。
山頂は無数の岩で埋め尽くされた異空間
だだっ広い山頂部は大小の溶岩で埋め尽くされている。
僕が20年前にそうだったように、知らずに来たら、そこそこ驚くと思う。
ちょっとした異世界って感じもする。
もちろん眺望は360°の大パノラマである。
岩々の山頂を反対側まで行ってみる。
ちょうど真ん中あたりには蓼科神社の奥宮がある。
八ヶ岳と南アルプスを見渡す、この広々とした風景が好きすぎる。
八ヶ岳の峰々は、全部はっきりわかる。
あちらも賑わっていることだろう。
最後には塩見岳も見えいる。
仙丈ヶ岳以外は歩けていない山域なので、行きたい山がたくさん。
格好いいので、槍穂の山々をもう一度。
涸沢とか、結構雪が残っているように見える。
本日も晴天なり!
てるてる坊主たちも気持ち良さそう。
抜群の眺望を存分に堪能して、三角点の方に戻る。
岩の上の移動は思ったより時間が掛かる。
展望盤に立つ登山者とバックに御嶽山。
そういえば、展望盤は台座だけだったが、壊れたのだろうか?
浅間山はガスに隠れそう。
大河原峠から風そよぐ草原の広がる双子山へ
山頂には40分も滞在してしまったが、まだ先は長いので、そろそろ再出発。
蓼科山頂ヒュッテの前を通って、まずは将軍平へ下る。
遠くには谷川岳や尾瀬、日光の山々も見えているんだと思うが、同定は放棄(苦笑)
将軍平への下りは岩の急斜面でなかなかハード。
山頂へ一番近い七合目駐車場から登って来る人が多いようで、たくさんの登山者とすれ違った。
9:50 将軍平
将軍平に建つ蓼科山荘も大賑わい。
ここから山頂を見上げると、この上に岩の世界があるのは想像つかないな。
ここから大河原峠に向かう。
しばらくは平坦基調。
林の中にひっそりとある「佐久市最高地点」。
学校登山向けとかのランドマークなんだろうか?
大河原峠への下りは浮石気味でちょっと苦戦。
森を抜けたら大河原峠は目前。
前方に見えるのは、この後に登る双子山である。
11:05 大河原峠
蓼科スカイラインの通る大河原峠は車やバイクがいっぱいで、なんだか下山しちゃった気分に…。
双子池方面に進んで、双子山への登り。
開けた笹原が気持ちいい。
11:30 双子山
20分ほどの登りで双子山に到着。
小高いピークではあるが、ここも開放的な場所だった。
さっきまでいた蓼科山。
こちらは北横岳。
以前、冬にロープウェイを使って登ったことがある。
先行グループが出発して、一人きりになった双子山。
ここで昼休憩にして、静かな山を満喫しよう。
本日のメニューは涼しげに、ということで、鳥そぼろ乗せの胡麻担々うどん。
昼食が済んだら、双子池に出発する。
進む先には、夏空と湧き立つ夏雲、そして青々とした草原。
ここの雰囲気、大好きかも。
草原の向こうにあるはずの浅間山は、雲に隠れてしまった。
それでも佐久の街を見下ろして、なかなか気持ちのいい空中散歩だった。
静けさの中にある双子池、亀甲池へ
双子池への下りはカラマツがきれいだった。
13:00 双子池
双子池に到着。
双子というくらいだから当然、ふたつの池があるわけだが、こちらは雄池。
めちゃくちゃ水が澄んでいます。
もうひとつの雌池。
静寂の中、雲とその影がゆったりと流れて行った。
双子池から亀甲池へは若干の登り。
初めは倒木などでやや荒れ気味だったが、それを過ぎると美しい苔の世界。
シダも生い茂って、瑞々しい森だった。
登りを越えて、苔の森を抜けて下って行くと亀甲池。
ここも山々に囲まれて静かな時間が流れていた。
針葉樹に光が差し込み、どこか絵画のような風景。
亀甲池を後にして、あとは竜源橋まで一気に下山。
といっても、しばらくは正面に蓼科山を見ながら、平坦で緩い下り。
天祥寺原から蓼科山。
諏訪富士とも言われるのが良く分かる。
天祥寺平からは一部、笹が道を覆っていて足元がわかりづらいところもあったが、
竜源橋まで歩きやすい道が続く。
順調に行って、双子池からだと2時間半での下山だった。
振り返り
八ヶ岳の山域らしい針葉樹と苔の森から、無数の溶岩に覆われた山頂台地へ。
草原を渡る風が気持ちのいい双子山。
山々に囲まれた静寂の双子池と亀甲池。
変化に富んだコースは見どころ満載で、歩き終えて充実感でいっぱい。
今回はとにかく天気に恵まれた。
おかげで、八ヶ岳、南アルプス、中央アルプス、槍穂連峰から後立山まで、存分に風景を堪能できた。
しっかり歩いて、いいトレーニングもできたことだし、本格的な夏山に向けて幸先のいいスタートが切れたかな。
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<参考>
・ ヤマレコ:山行記録(登山地図など)
・ 蓼科山頂ヒュッテ:山頂に建つ山小屋。コースや登山口の情報も。