稜線に吹く風のむこうへ

その場所だけにしかない風景と出会うために山へ。写真で綴る山登りの記録と記憶。

霧ヶ峰 - 梅雨の晴れ間、ニッコウキスゲと夏色の草原を行く

 
日程 : 2020.7.20(日) 日帰り
ルート: 八島湿原 → 車山肩 → 車山 → 蝶々深山 → 八島湿原(周回)
天候 : 晴れ
 
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雪山シーズンをお休みしてしまい、春からはコロナ禍で山行自粛。
実に8ヶ月ぶりの山歩き。
会社の後輩が登山を始めてみたいとのことで、それをきっかけに活動再開である。

もともとは八ヶ岳(硫黄岳)に登ろうと思っていた週末。
雨予報でダメかと思っていたら、日曜日に天気が好転。
ただ、高いところはガスが残りそうな感じだったので、霧ヶ峰のゆるハイクに予定変更。
自分的にもこれだけ歩いていなかったのは初めてで、復帰戦にはこれぐらいがちょうどいいかなと。
ニッコウキスゲもいい時期になって来たようだし、なかなか楽しみ。

コースは八島湿原を出発して、車山肩でニッコウキスゲ鑑賞。
車山に登って、蝶々深山を経由して戻って来る、といった感じ。

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7:40 八島湿原(登山開始)
八島湿原ビジターセンターの駐車場は何台か車が停まっていたが、静かな雰囲気だった。
鳥が目当てと思われるカメラマングループが準備をしていたが、登山者は見かけなかった。

霧ヶ峰 200719 (1)

ビーナスラインの下をトンネルで潜ると、すぐに広大な八島湿原が目に飛び込んで来る。
梅雨の合間を狙って来たが、ここまで晴れてくれるとは思っていなかったので嬉しい。

霧ヶ峰 200719 (2)

まずは湿原に沿って反時計回りに進み、沢渡、そして車山肩を目指す。
早速の開放的な風景が気持ちいい。

霧ヶ峰 200719 (3)

湿原の回りには花たちがいっぱい。
イブキトラノオがたくさん咲いていた。

霧ヶ峰 200719 (4)

ノアザミに仕事中の蜂。

霧ヶ峰 200719 (5)

カラマツソウも。

霧ヶ峰 200719 (6)

木陰から八島湿原を望んで。
見渡す限りの緑色の空間が気持ちいい。

霧ヶ峰 200719 (7)

湿原の南端を過ぎてヒュッテみさやままで緩い下り。
遠くにいちおうの目的地である車山山頂のレーダードームが見えた。

霧ヶ峰 200719 (8)

ヒュッテみさやま前の小川にキンバイソウかな?

霧ヶ峰 200719 (9)

一旦、車も通れそうな広い砂利道に出て、沢渡から車山肩への登りに入る。
足元は水たまりや泥濘が多く、少し歩きづらかった。
このあたりは雨が降ると水浸しになってしまうらしい。
足を濡らさないように注意して登る。

霧ヶ峰 200719 (11)

少し登ると視界が開けて、左手に美しい曲線を描いた草原。
以前、Windowsの壁紙でこんな風景あったけど、それを思い出した。

霧ヶ峰 200719 (12)

振り返ると、すでに八島湿原がだいぶ遠くなって来た。

霧ヶ峰 200719 (13)

遠くからでも目立つ車山のレーダードーム。
山頂の上空だけはガスが掛かり気味だったが、眺望は得られそう。

霧ヶ峰 200719 (14)

8:45 車山肩
車山肩に乗り上げるとニッコウキスゲが登場。

霧ヶ峰 200719 (15)

緩やかな斜面に黄色い群落が広がる。
7~8部咲きといったところだろうか?

霧ヶ峰 200719 (16)

ニッコウキスゲのこの黄色って、元気が出る感じがして好き。

霧ヶ峰 200719 (17)

ただ、この見事な風景はシカ避けの電気柵の中だけ。

霧ヶ峰 200719 (18)

車山には写真撮影目的で10年ぐらい前に訪れたことがあるのだが、その時はもっと広範囲、それこそ一面のニッコウキスゲだった。
それを知っていると、ちょっと寂しい気もするし、シカの食害も色々と思うところがある。
でも、久しぶりに霧ヶ峰の夏の風景に出会えて良かった。

霧ヶ峰 200719 (19)

少し休憩した後、車山の山頂を目指して再出発。

霧ヶ峰 200719 (21)

ビーナスラインを見下ろして。

霧ヶ峰 200719 (22)

9:45 車山 山頂
車山肩から30分強で山頂に到着。
夏山リフトで上がってきた観光客も混ざり、賑やかな雰囲気だった。

霧ヶ峰 200719 (23)

苦労はそれほどでもなく、あっさり登って来ちゃった感じ。
それでも、山頂の看板を撮って、いちおうの達成感を味わう。
初登山の後輩君も満足していたようなので、なお良し。

霧ヶ峰 200719 (24)

山頂の一角にお社があった。
諏訪の神社ということで、しっかり御柱が立っている。

霧ヶ峰 200719 (25)

その向こう側には八ヶ岳の眺望。
稜線にはまだギリギリ雲が掛かっているようだ。
八ヶ岳も候補だったけど、今回はこっちで正解かな?
ちなみに肉眼では富士山も見えていたが、写真では分からないか。

霧ヶ峰 200719 (26)

これから向かう蝶々深山方面の眺望。
広々とした草原が気持ちのいい風景である。

霧ヶ峰 200719 (28)

まずはリフトに沿って急な階段の下り。
久々の山行のせいか、この階段、膝に来た…。

霧ヶ峰 200719 (29)

白樺湖への分岐を折れて、蝶々深山を経由して八島湿原に戻る。

霧ヶ峰 200719 (30)

夏色の草原の中、小高い蝶々深山に向かう木道。
この区間の雰囲気、大好き。

霧ヶ峰 200719 (31)

まだ梅雨のさなかとは思えないほど青い空に浮かぶ雲。
その雲が草原に影を落とし、ゆっくり動いていく。
なんだか心が穏やかになり、いつまでも見ていられるような風景だった。

霧ヶ峰 200719 (32)

木道が終わって、ちょっとだけ急な登りをこなして蝶々深山のピークへ。
夏空に向かって登る感じが好き。

霧ヶ峰 200719 (34)

振り返って、車山が少しずつ小さくなる。

霧ヶ峰 200719 (35)

草原の丘の向こう側に頭を出す蓼科山

霧ヶ峰 200719 (36)

車山から30分ほどで、子だ高い広場になっている蝶々深山に到着。
「ちょうちょうみやま」って、なんだか響きが素敵。

霧ヶ峰 200719 (37)

霧ヶ峰は風景の広さが魅力だと思う。
正面の奥には美ヶ原が広がっている。

霧ヶ峰 200719 (38)

昼食にするには絶好のポイントだが、まだ時間も早いので物見岩まで進むことに。

霧ヶ峰 200719 (39)

このあたりは花が多く咲いていた。
これは開花前のヨツバヒヨドリかな?

霧ヶ峰 200719 (40)

ハクサンフウロ

霧ヶ峰 200719 (41)

ノアザミ

霧ヶ峰 200719 (42)

ニガナ

霧ヶ峰 200719 (43)

どこまでも続く開放的な風景。

霧ヶ峰 200719 (44)

物見岩に向けて笹原を掻き分けて進む。

霧ヶ峰 200719 (45)

10:50 物見岩
物見岩に到着。
ここでランチタイムに。

霧ヶ峰 200719 (46)

今回のランチはこれ。
ビーフンにタイカレーの缶詰をかけた簡単メニュー。
ミニトマトの酸味が良く合って、ノンアルビールも進む。

霧ヶ峰 200719 (47)

物見岩から八島湿原を見下ろして。
山の中にあれだけ広くて平らな空間があるのって、ちょっと不思議な感じがする。

霧ヶ峰 200719 (48)

北の耳、男女倉山の稜線。
あちらのルートも気持ち良さそう。

霧ヶ峰 200719 (49)

ランチ休憩の後、八島湿原に下る。

霧ヶ峰 200719 (50)

連日の雨で増水気味なのか?
橋の上まで水が出ていたが、問題はなし。

霧ヶ峰 200719 (51)

八島湿原まで降りて、鎌ヶ池。
ここも静かな空間だった。

霧ヶ峰 200719 (52)

とにかく広い八島湿原。
車山のレーダードームが随分と遠くに見えたが、あんなに歩いてきたかな?
山での距離感っていまいち掴めない。

霧ヶ峰 200719 (53)

あとは花を楽しみながらビジターセンターに戻るだけ。
今回の主役はやっぱりニッコウキスゲ

霧ヶ峰 200719 (54)

ウツボグサ

霧ヶ峰 200719 (55)

ハナショウブ

霧ヶ峰 200719 (56)

オオカサモチ

霧ヶ峰 200719 (57)

八島ヶ池まで来ればもうすぐゴール。

霧ヶ峰 200719 (58)

13:00に山行終了。
てるてる坊主たちのおかげ?で最高の天気の中の山行だった。
ご褒美のサイダーは「八ヶ岳高原」で、霧ヶ峰とは関係ないことに後で気づいた…。

霧ヶ峰 200719 (59)

ニッコウキスゲの黄色に元気をもらい、夏色の草原に癒しをもらい。
静かでゆったりとした山の時間を感じ、心が満たされた。
色々な花も楽しめ、梅雨の合間の山行は大成功だった。