- 双六岳 / 黒部五郎岳:山登りの記録
- Introduction:北アルプス、というよりも”地球”を歩く夏山縦走
- 新穂高を出発、小池新道を登る
- 小池新道の花コレクション
- 双六小屋到着、そして鷲羽岳との対面
双六岳 / 黒部五郎岳:山登りの記録
日程:2021. 7. 31 - 8.2(3日間;小屋泊)
天候:1日目;晴れ のち ガス,2日目;晴れ のち ガス,3日目;晴れ
コースタイム
1日目
新穂高登山センター 4:55 → わさび平小屋 6:05 - 6:15 → 小池新道入口 6:30
→ 秩父沢出合 7:20 → イタドリが原 8:05 → 鏡平山荘 9:20 - 9:35
→ 弓折乗越 10:35 - 10:45 → 花見平 11:15 → 双六小屋 12:10(泊)
登山時間:7時間15分
2日目
双六小屋 5:10 → 双六岳 6:20 - 6:30 → 三俣蓮華岳 7:40 - 8:00
→ 黒部五郎小舎 9:20 - 9:40 → 黒部五郎カール(昼食)11 :00 - 11:30
→ 黒部五郎岳 12:30[→ 稜線コース]→ 黒部五郎小舎 14:10(泊)
登山時間:9時間00分
3日目
黒部五郎小舎 4:20 → 三俣蓮華岳 6:15 - 6:30[→ 中道]→ 双六小屋 8:15 - 8:35
→ 花見平 9:20 → 弓折乗越 9 :40 → 鏡平山荘 10:15 - 10:35 → イタドリが原 11:30
→ 秩父沢出合 12:10 → 小池新道入口 12:50 → わさび平小屋 13:10 - 13:25
→ 新穂高登山センター 14:30
登山時間:10時間10分
Introduction:北アルプス、というよりも”地球”を歩く夏山縦走
巨大な岩壁をそびえるカールを持つ黒部五郎岳。
どちらもずっと行ってみたいと思っていて、憧れに近くなっていた山たち。
目指す黒部五郎岳は北アルプスの最深部と言っても良く、なかなか遠い場所だ。
そこに至るルートはいくつかあるが、(普通であれば)いずれも1~2泊を要する。
今回選んだコースは以下のような感じ。
初日は新穂高から小池新道を登って双六小屋に1泊。
翌日、双六岳、三俣蓮華岳の稜線歩きを堪能して、黒部五郎小舎へ。
その日のうちに黒部五郎岳に登頂して、黒部五郎小舎に戻って2泊目。
最終日は、もと来た道を戻り、一気に新穂高に下山するまあまあのロングコースとなる。
出発前の予報では天候が不安定でなかなか読めず、最悪ずっとガスの可能性もあった。
結果的には初日以外はしっかり晴れてくれて、最高の風景を楽しむことができた。
半分 ”憧れの地” のような山々を巡ったこの山行。
北アルプスを登山しているんだけど、なんだか「地球を歩いている」って、そんな気持ちになった。
そして、ちょっと感動してしまうような風景にたくさん出会えた。
それがこの山行日記で少しでも伝われば。
新穂高を出発、小池新道を登る
4時半過ぎ、新穂高指導登山センター前。
すでに明るくなった空はどんよりとしている。
天気は遅い時間になるほど良くない予報だった。
なんとか雨に降られず双六小屋に到着したいところだ。
ちなみに、新穂高といえば、”駐車場争奪戦” に触れておく必要があるだろう。
ロープウェイ駅の近くにいくつか有料駐車場があるが、泊りとなるとかなりの高額となる。
なので、登山センターから徒歩10分ほどの深山荘前の無料駐車場をみんな狙うわけだが、これがなかなかの競争率なのである。
前日、仕事を定時に終えて移動、21時頃(金曜夜)に到着したが、9割以上は埋まっていた。
有料の方もキャパは大きくないので、これらが満車になると、鍋倉駐車場に回ることになる。
この場合、鍋倉から新穂高まで30分ほどプラスで歩かないといけない。
行きはまだいいが、帰りの距離が増える(しかも登り)のはしんどすぎる。
戦々恐々としていたが、ちゃんと深山荘前に停めることができて、ほっとした。
平湯のあかんだな駐車場からシャトルバスを走らせるとか、できればいいのに。
4:55 新穂高(登山開始)
小池新道方面に車道を歩いて10分で登山口のゲート。
まずはわさび平小屋まで4kmの林道歩きとなる。
途中、笠ヶ岳に向かう笠新道の分岐などを見送り、1時間ちょっとでわさび平小屋に到着。
300mほど標高を稼げているので、ウォーミングアップにはちょうどいい行程だった。
まあ、帰りはこの4kmが辛いんだろうけど…
6:30 小池新道入口
さらに進んで、わさび平小屋から20分で小池新道の入り口。
道なりの橋は渡らず、左の登山道に入って行く。
予想外に青空が見えて、これは幸先がいい感じなのか?
序盤の小池新道は石畳が敷き詰められたように、完璧に整備されている。
傾斜もそれほどきつくないので、めちゃくちゃ登りやすかった。
登り始めてしばらくすると、上の方は早くもガスが増えて来た。
ああ、やっぱりそうなるよね…
とはいえ、まだ視界はあって、前方に槍ヶ岳を発見。
小池新道のスタートから50分で秩父沢。
雪渓から轟々と雪解け水が流れ出ており、冷たい風が気持ちいいので、ここで小休憩。
小池新道の花コレクション
秩父沢を過ぎると、登山道の傍らにはたくさんの種類の花が目立つようになる。
今日は景色を楽しめそうにないので、花の写真をしっかりコレクトして行くことにしよう。
シシウドヶ原に達する頃には、空を蓋しているガスがかなり近くなっていた。
ここから先はガスに中に突入となる。
鏡平まで500mの目印。
周囲は当然のようにガスガス。
”逆さ槍” で有名な鏡池もご覧の通り、何も見えない。
9:20 鏡平山荘
スタートから4時間半で鏡平山荘に到着。
花以外は楽しみがないので、ほんと淡々と登って来た感じ。
鏡平山荘といえば、かき氷で有名だが、ガスの中なので暑さはそれほどでもなく、下山での楽しみに取っておくことにした。
山荘前の木道を渡って弓折乗越への登りに入る。
徐々に疲れも溜まってきて、ここは厳しい時間帯。
樹林帯を抜けて、晴れていれば大きく視界が開けるだろうところなのだが…
でも、やっぱり花はたくさん咲いていて、少しだけ救われた気持ちになる。
このあたりは「全種類集めるぞ」の意気込みで写真を撮っている。
10:35 弓折乗越
弓折乗越で笠ヶ岳から続く稜線に乗っかる。
ここでしっかりとした登りはお終いで、あとは双六小屋まで緩やかなアップダウンが続く。
ちょっとした雪田を通過する。
雪田を越えると花見平。
ここはすごいお花畑になっていた。
ハクサンイチゲとキンポウゲ系の黄色い花。
とにかく花の密度が高い。
稜線を進んで行くとややガスが切れて、雄大な風景が少しだけ見えた。
正面は槍ヶ岳へと続く西鎌尾根である。
双六小屋到着、そして鷲羽岳との対面
本日のゴール、双六小屋が見えて来た。
本当なら小屋の向こうに鷲羽岳がどーんとあるはずだが、やはり見ることはできない。
左側は双六南峰の稜線。
上の方は隠れているが、北アルプスへ来たって実感が湧いてくる。
12:10 双六小屋
スタートから7時間で双六小屋に到着。
だいぶ余力を残して1日目を終えることができた。
宿泊受付を済ませて外へ出ると、さっきまでは真っ白だった鷲羽岳方面の風景が見えるようになっていた。
スケールの大きさにちょっと感動してしまう。
小屋前のベンチに座って、しばらくこの雰囲気を楽しむ。
雲の流れは速く、時には完全な山容を見ることができた。
夕飯の時間(16時半)まで時間はたっぷりあるので、周辺を散策する。
茂みの中に隠れるようなクロユリを見つけた。
双六池のまわりはチングルマのお花畑になっていた。
鷲羽岳は再びガスに飲まれてしまった。
「すごろく」に掛けて、サイコロのオブジェがあった。
小屋のスタッフさんの手作りとのこと。
まったりとした時間を過ごして夕飯の時間。
メインは天ぷら。
ボリュームたっぷり、味も抜群で、明日の活力をしっかり補給。
日没の時間になると、笠ヶ岳も姿を現した。
もっと晴れて夕焼けを期待したけど、これが限界だった。
1日目:振り返り
あいにくのガスで小池新道からの眺望は全然ダメだった初日。
ただ、炎天下の中を歩かずに済んだのは、翌日以降のことを考えると良かったかも、と思わなくもない。
たくさんの花を楽しむことができたのは大きな収穫だった。
少しだけど鷲羽岳の風景も見ることができて、明日の双六岳、黒部五郎岳に期待が膨らむ。
天気予報は良さそうなので、北アルプスの夏を存分に楽しませてもらおう。
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<つづき:2日目の山行日記>
<参考>
・ ヤマレコ:山行記録(登山地図など)
・ 新穂高周辺の駐車場マップ(奥飛騨温泉郷観光協会HPより)
・ 双六小屋:小池新道から黒部五郎岳の地図や花の図鑑も。