稜線に吹く風のむこうへ

その場所だけにしかない風景と出会うために山へ。写真で綴る山登りの記録と記憶。

燧ヶ岳&尾瀬ヶ原(Day2)- 遥かなる尾瀬、雨に咲くニッコウキスゲ

 

<1日目の記録> 

 

2日目:尾瀬ヶ原に響く雨音を聴きながら

2日目の朝。

夜は小屋の窓を叩く雨音で目が覚める程の強い雨が降っていた。

心のどこかで期待していた天気の好転は叶わず、雨の中の尾瀬散策となりそう。


5:00 見晴(登山開始)

出発は5時。

とりあえずは小雨模様の尾瀬ヶ原を歩きはじめる。

雨もやの掛かる朝の風景を見ながら、竜宮へ向かう。

 


たっぷり雨粒を抱えたニッコウキスゲが鮮やか。

雨もそんなには悪くないかもと、ちょっとだけ思える。

 

 

アヤメ(カキツバタ?)も雨が似合う。

 


しっとりとした尾瀬の中を行く木道。

雨も尾瀬を際立たせる要素のひとつかな。

雨に濡れる木道はいい被写体。

ヒツジグサの葉っぱ。

まだ花は咲いていなかったけど、なんか可愛らしい。

 


雨粒が跳ね返る池塘を眺めながら。

雨音しか聞こえない世界。

何を考えるわけでもないけど、こういう空間に身を置くこともたまにはいい。

 

雨の中のニッコウキスゲ

雨が少し強くなる頃、竜宮を過ぎるとニッコウキスゲの群落に出会った。

 

これが見たかった尾瀬の風景。

帰ってから調べると、この時で5部咲きぐらいのようだが、十分にきれいだった。

 

 

もちろん晴れていれば最高に違いないけど、雨の中のキスゲもいい。

花たちはこの雨を喜んでいるだろうか? 楽しんでいるだろうか?

二列の木道の間にもニッコウキスゲ

なんてことを思いながら歩いていたけど、段々と強くなる雨…。

ついには本降りとなってしまった。

牛首分岐から折り返すように東電小屋方面に向かう。

ここにもたくさんのニッコウキスゲが咲いていたが、雨に心折れて、足早に駆け抜ける。

 

 

 

7:40 東電小屋

ずぶ濡れになりながらヨッピ吊橋を渡って、急ぐように東電小屋へ。

小屋で雨の状態を見ながら、たっぷり休憩するも、いっこうに雨は弱くならず、仕方なく出発。

赤田代でニッコウキスゲも見納め。

段吉新道、裏燧林道を抜けて御池へ

雨でなければ三条ノ滝に立ち寄る予定だったが、この雨ではその気力はなし…。

温泉小屋から段吉新道で裏燧林道にショートカットしてしまう。

 


この道、ブナの緑が気持ちよく、ぜひ紅葉の季節にも歩いてみたい。

カメラのレンズに雨粒がついて、ソフトフォーカスに。

偶然にお気に入りの一枚が撮れた。

燧裏林道に入ると嫌らしいアップダウンの連続で、疲れた足には修行の時間。

心が折れそうになった頃、横田代の傾斜湿原に飛び出た。

風にワタスゲが揺れて、どこか優しい風景に、ちょっとだけ気持ちが回復した気がする。

 


キンコウカは色んなところで見かけたが、みんなこんな感じで下の方しか咲いていなかった。

時期はこれからだったのかな?

上田代の湿原まで来れば、ゴールの御池はもうすぐ。

 

 

そして、昼過ぎに御池に到着して、雨の中の山行が終了。

今回はよく歩いたな。

全体的に天気には恵まれなかったけど、その時だけの風景にたくさん出会えて、あらためて山を歩くことの楽しさを感じることができた。

天気のいい尾瀬を歩くという宿題もできたことだし、また来よう。

 

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<参考>

尾瀬ナビ:尾瀬全般の情報