稜線に吹く風のむこうへ

その場所だけにしかない風景と出会うために山へ。写真で綴る山登りの記録と記憶。

鷹ノ巣山 - 秋色の落ち葉を踏んで、奥多摩の静かな尾根歩き

鷹ノ巣山:山登りの記録

 日程:2012. 11. 3(日帰り)

 天候:曇り 時々 晴れ

 

コースタイム

 小河内ダム 7:45 → 水根沢林道 登山口 7:55 → 榧ノ木尾根-水根 分岐 10:35

 → 石尾根縦走路-倉戸山分岐 10:50 → 鷹ノ巣山 11:25 - 12:20

 → 石尾根縦走路-倉戸山分岐 12:40 → 戸倉山 14:00 - 14:20 → 小河内ダム 15:45 

 登山時間:8時間00分

Introduction:静かな奥多摩の秋を歩く

紅葉がよい時期を迎えていそうな奥多摩へ。

数ある奥多摩の山から選んだのは鷹ノ巣山である。

鷹ノ巣山奥多摩駅あたりから雲取山へ続く長大な石尾根の中間に位置している。

 

鷹ノ巣山へ至るルートは色々とあるが、最初に考えていたのは、日原から登る稲村岩尾根ルートだった。

しかし、調べているうちに見つけたのが、小河内ダムから登る水根沢林道

沢音を聴きながらの心地よい山歩きができそうなので、こちらを選択した。

 

起点は奥多摩湖小河内ダム

そこから水根沢林道を登って石尾根に合流、鷹ノ巣山を目指す。

下山は榧ノ木尾根小河内ダムへ戻る。

鷹ノ巣山のメインルートからは外れるので、静かな秋山ハイクができそうである。

水根沢林道から石尾根へ

7:45 小河内ダム(登山開始)

小河内ダムの広い駐車場で準備を整えたら出発。

まずはダムサイトから国道に下って、水根バス停からむかし道の入り口へ。

 

 

車道を少し登って行って、集落の片隅から登山道が始まる。

しばらくは、植林帯と広葉樹林が交互に出てくる感じ。

このあたりはまだ緑色だったが、朝の冷たい空気が清々しい。

 

 

最初は水根沢に沿って高巻きの道だが、だんだんと沢に近づいて行く。

小さな滝を越えると少しずつ紅葉が始まっていた。

 


沢に差し込む光を背に、気持ちのいい場所。

紅葉が盛りの時にも歩いてみたい。

沢から離れて徐々に高度を上げると、少しずつ木々の色づきも深くなる。

 


途中、出会ったのはひと組だけだったけど、もっと歩かれてもいい道だと思った。

道は一旦、植林の中に入り、そこはかなりの急登でシンドイが。


植林を抜けると一旦、榧ノ木尾根に乗っかり、石尾根を目指す。

ここからは一気に紅葉の盛り、という感じになった。

木々から覗く空はあいにくの曇りであるが、温かい色合いの紅葉が登山道を包んでくれた。

紅葉の回廊みたい。

曇り空の石尾根で山頂を目指す

10:50 石尾根縦走路 分岐

榧ノ木尾根を少しだけ登ると石尾根に合流する。

はじめて歩く石尾根の紅葉は終盤だったが、広くて気持ちがいい道だ。

正面に目指す鷹ノ巣山が見えてきた。

 


天気予報からすれば、もっと晴天を期待していたけど、空は雲が広がり、ちょっと寒々としていた。

それでも視界は意外とクリア。

霞んでいたが、一番奥には南アルプスも見えた。

甲斐駒から北岳農鳥岳あたりだろうか?

あたりには、マルバダケブキの綿毛がたくさんあった。

 


鷹ノ巣山への最後の登り。

距離は短いけど、結構きつい…

 

 

11:25 鷹ノ巣山

そして、スタートから3時間ちょっとで鷹ノ巣山の山頂に到着。

登ってきたルートでは全然、人に会わなかったけど、山頂は大賑わいである。

 

 

山頂の南側は開けており、なかなかの眺望である。

峰谷から登って来る早月尾根は錦色だった。

もっと陽があれば、紅葉が映えるのだが…

 


ランチ休憩をしていると、紅葉の尾根にスポットライトが。

 


全体に薄日が当たっただけで、また色を変える紅葉。

天気はやや期待はずれだったが、いい時期に来ることができた。

 

 

さて下山開始である。

まずはもと来た石尾根を下っていく。

 


思っていたよりも歩く人が少なく、静かな山歩きを楽しめた石尾根。

すでに葉を落とした木も多いけど、カラマツの黄葉がいい感じだった。

石尾根はいずれ雲取山から奥多摩駅まで歩き通してみたい。

 

 

榧ノ木尾根に向かう巻き道とのジャンクション付近にあったブナ。

 

秋色に溢れる榧ノ木尾根を下る

榧ノ木尾根に戻り、水根沢林道の分岐を過ぎると、どんどん紅葉が鮮やかに 。

下山ではあるが、ここからがこの山行のハイライトと言ってもいい。

 

落ち着きのある佇まいのブナ。

モミジの赤色も鮮やか。

このあたりの彩りは、本当にもう言葉がない。

どこまでも続く錦色の尾根道を下って行く。

 

 


紅葉の森はまだまだ続く。

 


このあたりは黄色系。

サクサクと落ち葉を踏む音も心地よい。

 


紅葉の尾根を抜けて、緑色の世界に戻ってきた。

最後に、ちょっと虫食いだけど、紅一点。

 


倉戸山からは評判どおりの急斜面を下りて奥多摩湖へ。

疲れた足には、かなりしんどい下りだったが、想像以上にきれいな紅葉を楽しめた榧ノ木尾根の余韻に浸りながらのゴールであった。

 

 

榧ノ木尾根は、この時期、落ち葉で踏み跡が薄くなってる場所もあるが、そんなに不安を感じることはなかった。

赤色、黄色、オレンジ色と溢れる秋色を楽しめる、間違いなくおすすめのルート。

 

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<参考>

・ ヤマレコ:山行記録(登山地図など)