- 白山:山登りの記録
- Introduction:紅葉と好展望の平瀬道から白山へ
- 中間点の大倉山へ、秋の空に映える紅葉
- 室堂平へ、まだまだ続く紅葉と北アルプスの眺望も
- 秋深い室堂平、そして白山山頂へ
- 山頂のお池巡り、紺碧の翠ヶ池へ
- 平瀬道の下山、しっとりガスの中の紅葉
白山:山登りの記録
日程:2021. 10. 10(日帰り)
天候:晴れ のち ガス
コースタイム
大白川登山口 5:45 → 大倉山避難小屋 7:40 → カンクラ雪渓 8:15
→ 平瀬道・展望歩道分岐 8:55 → 白山室堂 9:05 - 9:15 → 白山 9:45 - 10:00
→ 翠ヶ池 10:25 → 白山室堂 11:05 - 11:45 → カンクラ雪渓 12:25
→ 大倉山避難小屋 13:00 → 大白川登山口 14:30
登山時間:8時間45分
Introduction:紅葉と好展望の平瀬道から白山へ
日本三霊山のひとつ白山。
夏に一度、登ったことがあり、咲き乱れるたくさんの花たちが印象に残っている。
その時のルートは別当出合からの砂防新道だった。
白山には砂防新道以外にもたくさんの登山ルートがある。
いずれ色々と歩いてみたいと思っていたのだが、その最上位が平瀬道だった。
平瀬道は白川郷に近い大白川ダムを起点とする岐阜県側のコース。
ブナやダケカンバの森と展望のいい尾根道からなるルートは、紅葉の季節が最適だろう。
毎年のように計画していたのだが、天気や登山口に至る県道が通行止めの年があったり…
なかなか実現できていなかったが、いよいよ時が来た、って感じ。
紅葉だけでなく、山頂に広がるお池巡りも楽しみ。
なかなかのロングコースになるが、頑張って行こう。
中間点の大倉山へ、秋の空に映える紅葉
登山口の大白川ダム(白水湖)周辺には、かなりの台数を停められる駐車場がある。
しかし、5時半の到着時点で、トイレやロッジのあるメインスペースは埋まっていた。
少しだけ離れた駐車場に停めてスタート。
5:45 大白川登山口(登山開始)
登山口の門をくぐって登山開始。
白山山頂までは室堂平を経由して5時間のコースタイム、標高差は1500mである。
序盤は階段中心に高度を稼いで行く。
このあたりはまだ色付き始めといった感じだが、淡い紅葉もいい。
日の出の時間を迎えて、木々の間から眩しい朝の光が差し込で来る。
1時間ほど登ったところで、視界が開けて来た。
谷を挟んだ反対側の尾根に陽が回り、紅葉が映える。
奥に位置する別山方面の稜線にはガスが掛かっている。
いよいよ本格的な紅葉ハイクのスタートである。
ミネカエデのオレンジ色が眩しい。
平瀬道は序盤から眺望が得られるし、評判どおり紅葉も美しい。
秋に白山に登るなら間違いなくおススメ。
谷へ降りる斜面はダケカンバの黄葉が中心。
クマザサの緑色とのコントラストがいい感じ。
複雑な樹形のダケカンバ。
冬は雪の量がすごいから、それに耐えてきた証なのだろう。
別山の雲も取れて来たけど、完全に晴れることはなかった。
別山は石徹白から登る計画を立ててはいるものの、なかなか機会が巡ってこない。
いずれ近いうちに。
快晴の秋空を背景に、赤色と黄色の紅葉がずっと続く平瀬道。
上を見上げる回数が必然と多くなる。
右手に目指す白山が見えて来た。
平瀬道からだと御前峰と剣ヶ峰の双耳峰に見えるんだ。
北側に位置している、なだらかな稜線もいい色付きである。
南側は逆光気味になってきて写真映えが難しいが、どこも秋色で溢れている。
いやはや、最高すぎる登山になって来た。
大倉山が近づくと多少、傾斜が緩くなって、ゆっくり紅葉を楽しみながら行ける。
少しずつ白山が大きくなって来た。
頂上近くまでまだしっかり紅葉しているようで、この先も楽しみ。
室堂平へ、まだまだ続く紅葉と北アルプスの眺望も
7:40 大倉山避難小屋
スタートから2時間で大倉山避難小屋に到着。
紅葉の写真撮影で足を止めてばかりだったが、なかなかいいペースで来れた。
ちなみに、大倉山のピークはルートから外れていて踏まない。
避難小屋からはまた一段、傾斜がきつくなるが、まだまだ素晴らしい紅葉が続く。
燃えるように赤いナナカマドが目を引く。
登って来た尾根を振り返って。
右側のこんもりしたピークが巻いて来た大倉山。
奥に見える三方崩山も存在感がある。
別山の稜線は、朝よりもさらに雲が優勢になっている。
どうやら、南側からのガスを稜線が受け止めてくれているようだ。
沢筋を覗き込むと、ナナカマドの低木がきれいに色付いている。
三方崩山の背後には雲海ぽい雲の筋が出来ていて、その上に北アルプスが頭を出している。
さすがにもう雪はないけど、このあたりがカンクラ雪渓だと思う。
ここのナナカマドだけまだ青々としているのが不思議。
雪が遅くまで残っていたからだろうか?
逆光で写真の発色が良くないが、すぐ反対側のナナカマドは赤い波みたい。
御嶽山も姿を現した。
ナナカマドの向こうには、御前峰がだいぶ近づいた。
カンクラ雪渓から室堂平に向けて、もうひと登り。
ここも紅葉の中を縫って行くようで、気持ち良く歩けた。
高度が上がって、ハイマツ中心の風景に変わって来た。
すっかり葉を落として実だけになったナナカマドが波打つように続いている。
秋深い室堂平、そして白山山頂へ
道が平らになって、広大な室堂平の隅っこに飛び出した。
さすがに紅葉はもう終わっているかと思ったが、まだまだ見頃だった。
本当は奥に別山があるはずだが、ガスに飲み込まれている。
平坦な道を進んで行くと、室堂平のビジターセンターが見えて来た。
9:05 白山室堂
スタートから3時間半弱で白山室堂に到着。
ビジターセンターの前に建つ白山比咩神社の奥宮祈祷殿から御前峰を望む。
少し休憩した後、白山最高峰の御前峰へ向けて出発。
なだらかそうに見えるが、最後は意外ときつい登りだ。
少し登って室堂平を見下ろす。
別山方面はしっかり雲海になっていて、少しずつこちらに迫ってくるように感じる。
山頂までもうひと登り。
9:45 白山・御前峰
室堂平から30分で御前峰に完登である。
まずは奥宮にお参り。
そして、白山最高峰の三角点。
霊峰白山にふさわしい、抜けるような青空だ。
なんだか少し心が震える感じがした。
御前峰に立って初めて目にすることになる北側の火山らしい風景。
剣ヶ峰と大汝峰の荒涼とした山々が広がっている。
東側もいつの間にやら一面の雲海に。
それでも、北アルプスの稜線はしっかり見えている。
白山の南側も雲に支配されている。
完全に雲に飲まれてしまったが、別山がなんとか押し堪えてくれているようだ。
山頂のお池巡り、紺碧の翠ヶ池へ
いいペースで登ることができて、時間の余裕もできたので、予定通りにお池巡りへ。
いくつかの火山湖をぐるっと回って、室堂平に戻るコース。
まずは眼下に見える紺屋ヶ池に向けて下って行く。
西側には日本海を眺めることができた。
剣ヶ峰へは登るルートがなく、なかなか険しい山容である。
このあたりの下りはザレ気味なので、少し神経を使い、慎重に下りて行く。
紺屋ヶ池は上から見たのよりも小さい印象。
10:25 翠ヶ池
紺屋ヶ池を越えると、ひと際、存在感のある池が見えて来る。
白山の火山湖で最も大きい翠ヶ池である。
大きさだけでなく、その美しさも一番に思える。
この青色は紺碧と表現するのが一番適しているかな?
ちょうど雲海が広がっているので、空に浮かんでいるようだ。
それにしても、水の色が綺麗すぎる。
空の色を映し出しているかのように、静かにそこにある翠ヶ池。
翠ヶ池を後にすると、大汝峰が近づいて来る。
今回はルートから外れるので登らないが、いつかここを越えて釈迦新道で下山してみたいと思っている。
ただ、数年前から崩落(大雨による橋の流失)の影響でずっと通行止めになっている。
釈迦新道の復旧は難しそうな雰囲気も感じるのだが、どうなるだろう…?
千蛇ヶ池はまだ雪で覆われていた。
この季節で溶けていないとなると、万年雪になるのかな?
室堂平は草紅葉が黄金色に輝いて、ちょっと別世界の雰囲気がある。
11:05 白山室堂
御池巡りを終えて、ビジターセンターまで戻ってお昼休憩。
今回は簡単にカップ麺にした。
平瀬道の下山、しっとりガスの中の紅葉
日差しが気持ちよく、うたた寝しそうになっちゃうが、下山も長いので出発する。
葉を落としたナナカマドと御前峰に見送られて。
室堂平の東端。
ここを右に行けば、南竜ヶ馬場に至る。
前回の白山登山では別山からチブリ尾根を下ったが、ガスガスと雨だったので、晴れている時にまた行きたい。
カンクラ雪渓あたりま降りると、下界からガスが上がって来てしまった。
帰りの紅葉も順光になるので楽しみにしていたが、残念ながらガスの中に入って行く。
真っ白というわけではなく、時折り日差しもあったが、紅葉の映えはイマイチ。
平瀬道で唯一といえる危険箇所。
といっても片側が切れ落ちているだけで、足元は悪くない。
ガスが抜けてくれれば最高なんだけど、それでも薄日が差して発色はまずまず。
ガスの層を抜けて、下界の視界がクリアに。
白水湖まで紅葉の見頃が下りるまでは、もう少し時間が掛かりそう。
平瀬道は下部に広がる森も本当にいい雰囲気。
長い下りで膝はだいぶやられて来たが…
最後は疲れたけど、室堂平から3時間弱での下山完了だった。
振り返り
何年越しかの願いが叶った平瀬道は最高の一言だった。
天気ばっちり、紅葉ばっちり、眺望もばっちり。
秋晴れの空に映える紅葉、黄葉をじっくり味わうことができた。
山頂のお池巡りも合わせて、距離は長いがいいコースだと思う。
特に静かに水を湛える翠ヶ池は、空の色を溶かし込んだような青さでそこにあった。
霊峰白山の雰囲気と相まって、どこか厳かな空間を作り出していた。
まだまだ歩き切れていない白山。
この次はどのルートで登ろうかな。
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<参考>
・ ヤマレコ:山行記録(登山地図など)
・ 白山ベストガイド:白山観光協会のHP。登山コース、山小屋の情報。