稜線に吹く風のむこうへ

その場所だけにしかない風景と出会うために山へ。写真で綴る山登りの記録と記憶。

大日ヶ岳 - ぽかぽか春気分、天狗山までのんびり雪山散歩

大日ヶ岳:山登りの記録

 日程:2021. 3. 7(日帰り)

 天候:晴れ(ちょっと霞み)

 

コースタイム

 高鷲スノーパーク Top 8:50 → 前大日 9:20 → 大日ヶ岳 9:45 - 9:50

 → 天狗山 10:30 - 11:45 → 大日ヶ岳 12:25 → 高鷲スノーパーク Top 12:55

 登山時間:4時間05分

Introduction:雪山入門の大日ヶ岳+天狗山まで

日に日に暖かくなる3月。

まだまだ雪山を楽しみたくて、大日ヶ岳へ。

 

大日ヶ岳は、ひるがの高原を麓に持つ1708mの山である。

東海北陸道を走っているとなかなかの存在感なのだが、その斜面はスキー場が広がり、ちょっと痛々しくも見える。

しかし、山頂からの眺望は抜群なので、雪景色の白山や北アルプスが楽しみである。

 

今回、雪山初体験の後輩を連れて行くことになった。

この大日ヶ岳、雪山としては「入門編」の山としてうってつけと言える。

高鷲スノーパークのゴンドラを使えば、1時間ほどで山頂に立ててしまうためだ。

 

それでは物足りないのが正直なところで、今回はもうひとつ先のピークとなる天狗山を目指す計画。

そのルートが白山に向かって伸びるかのような稜線で、なんとも気持ち良さそう。

ただ、雪深いエリアなので、コンディション次第となるが、果たしてどうか?

高鷲スノーパークから大日ヶ岳

高鷲スノーパークのセンターハウス。

好天が期待できる日曜日、スキー場は大盛況だった。

7時半ぐらいの到着だったが、駐車場に入るのにやや渋滞があった。

 

 

インフォメーションで登山届を提出して、ここでゴンドラのチケットを購入。

登山者用は往復で1200円。(+ICカード保証代500円。下山後にカード返却で戻ってくる。)

下山報告が必要なので、忘れずに。

 

 

スキーヤー、ボーダーに混じって、ゴンドラの列に並ぶ。

登山の格好は若干浮くが、そこは気にせず、楽々ゲレンデトップへ。

 

 

ゲレンデトップの段階で、すでに気持ちのいい景色が広がっている。

空は快晴とは言えないけど、遠くまで見通せそうである。

 

 

8:50 高鷲スノーパーク Top(登山開始)

レストハウスの裏手から登山開始。

スノーシューを付けている人が多かったが、自分はアイゼンで行く。

 

 

5分も登れば、南西方向の眺望が大きく開けた。

見えているのは能郷白山などかな?

開放的な白い稜線を行く。

雪は締まっていて、踏み抜きはなかった。

 

 

行く手に立ちはだかる急登。

距離は短いので勢いで登り上げる。

 

 

まだスタート位置が見えるのに、すでにこの眺望はちょっと反則的。

本格雪山デビューとなる後輩、早速、雪山の魅力に取りつかれたようだ。

 

 

とにかく気持ちのいい雪山歩き。

 

 

背後には御嶽山から乗鞍、穂高立山まで全部見えている。

 

 

夏に登ったことがある桧峠からの尾根ルートを一望。

水後山のピーク付近は雪割れが始まっているようだ。

 

 

まだたっぷり雪を湛えた、輝かしい山々を見ながらのハイクは気持ちがいい。

能郷白山を望遠で。

水後山の背後に荒島岳

スタートから30分ほどで前大日の小ピークに到着。

大日ヶ岳に向かって、真っ白な稜線が続いている。

 

 

白山が見えて来た。

丸い御前峰と三角の別山が対照的。

 

 

ここも急登だが、空は青いし、目映い雪景色が最高すぎる。

稜線には少しだけ雪庇ができていた。

 

 

急登をこなすと、最後はまったりとした登りで大日ヶ岳に向かう。

 

 

前大日のピークに立つ登山者と御嶽山

 

 

水後山へのルートにはトレース見えるが、雪割れでちょっと危なそう。

 

 

平坦になって、大日ヶ岳のピークまでもう少し。

 

大日ヶ岳より全方位パノラマを楽しむ

9:45 大日ヶ岳

スタートから1時間掛からずに大日ヶ岳の山頂に着いてしまった。

山頂柱は頭だけ出ていた。

夏に来た時の写真を見返すとちょうど背丈ぐらいの積雪量。

 

 

ピークからはぐるっと一周の大パノラマ。

まずは白山。

 

 

反時計回りに見て行こう。

薙刀山、野伏ヶ岳、小白山と続く山並み。

積雪期以外は藪が深く登れない山たちだ。

野伏ヶ岳には以前、登っている。

水後山から桧峠へのルート。

トレースあるが、雪庇も発達していて難易度が高そう。

 

荒島岳も積雪期にもう一度、登ってみたい山。

 

 

御嶽山には、まだ少し噴煙が見えていた。

 

 

乗鞍岳から北アルプスの山々を一望。

 

乗鞍岳

穂高岳槍ヶ岳笠ヶ岳

立山剱岳

白山に続く稜線を天狗山まで

雪のコンディションが良く踏み抜きはなさそうなので、予定通り天狗山まで行くことに。

正面に白山を見ながら、最高すぎる稜線散歩のスタート。

 

 

大日ヶ岳からの下りで振り返って。

このあたりも雪庇があるので、油断は禁物。

 

 

三ノ峰から別山、御前峰に続く白山の稜線。

 

 

これで霧氷があれば完璧だったが、これ以上を望むのは贅沢すぎだろう。

 

 

ここは空を歩いているみたい。

 

 

アップダウンを繰り返すたびに、白山が大きくなっていく気がする。

 

 

 

三角のピークが天狗山と思われがちだが、三角点があるのは手前の緩やかな小高い場所。

最終目的地はあの三角ピークとすることに。

 

 

10:35 天狗山(三角点)

三角ピークに行く前に、三角点付近でランチにした。

今回は唐揚げ入りの酸辣湯麺

ぽかぽか陽気でそれほど寒くはないけど、体が温まり幸せな気分。

 

 

ちょっと遅いひな祭り気分で、デザートのには桜餅も。

 

 

お腹が満たされたら天狗山の先の三角ピークに向かう。

昼休憩に随分と人が増えた。

 

 

11:30 天狗山(三角ピーク)

ピークの先も気持ちの良さそうな稜線が続いている。

薄っすらトレースが見えたが、どこまで行ったのだろう?

 

 

大日ヶ岳から歩いてきた稜線。

 

 

見飽きない北アルプスの峰々。

 

乗鞍岳はこう見るとしっかり独立峰で、存在感がある。

槍穂連峰と笠ヶ岳

そして、手が届きそうな距離に白山。

名前の通り真っ白で、輝いているようにも見える。

 

 

大日ヶ岳のピークにもたくさんの登山者。

 

 

風景を存分に楽しんだら、もと来た道を帰る。

 

 

アップダウンはあるが、ひとつひとつの距離は短いのでそれほど苦にならず。

 

 

北アルプスを見ながら。

宙に浮いている感じの写真になった。

 

 

大日ヶ岳への登り返しは少し長めなので頑張ろう。

 

 

もう少しで大日ヶ岳のピーク。

この時間になっても雪は緩まず、快適に歩くことができた。

 

 

登山者で大賑わいの大日ヶ岳のピーク素通りして、そのまま一気にゴールへ下りてしまう。

 

 

初の尻セードを楽しむ後輩君。

少し雪が重めであまり滑らなかったけど、だいぶはしゃいでいた。

 

 

大日ヶ岳が遠ざかる。

本当にいい雪山だった。

 

 

スキー場の音楽が聞こえて来て、なんだか下界に戻ってきた感じ。

 

 

天狗山から1時間10分での帰還だった。

距離、時間は歩いていないけど、満足感でいっぱい。

 

 

GPSだと累積標高はわずか320mで、歩行距離は6km。

それでこれだけの雪景色を楽しめるなんて、コスパ良すぎの山。

 

天狗岳への稜線は、降雪直後だったりすると本当に雪深く、安易には入らない方が良さそうだが、コンディションがいい時は、大日ヶ岳だけではもったいない。

白山を正面に見ながら、ぜひゆっくり歩いてみてもらいたい。

 

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<参考>

・ ヤマレコ:山行記録(登山地図など)

 

・ 高鷲スノーパーク:西日本エリア最大のゲレンデ。冬の大日ヶ岳登山はゴンドラでアクセス。