稜線に吹く風のむこうへ

その場所だけにしかない風景と出会うために山へ。写真で綴る山登りの記録と記憶。

経ヶ岳 - 冬が来る前に、紅葉と笹原の回廊を行く秋色ハイク

 

日程 : 2018.11.3(土) 日帰り
ルート: 銚子ヶ口展望広場 → 保月山 → 中岳 → 経ヶ岳(ピストン)
天候 : 晴れと曇りが半々


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今回は会社の同僚と総勢6名で秋山登山。
初心者もいるので、ガッツリきつくはなく、でも、山らしい風景が見れて、紅葉も楽しめて…
と、欲張りすぎて、なかなか行き先が決まらず。

そして、色々と探して選んだのが「経ヶ岳」。
福井最高峰のこの山は、あまり有名ではないかも知れないが、予想以上の秀峰だった。
低山(1600mあるが)とは思えないスケールの大きな風景が楽しめた。

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今回のコースは経ヶ岳登山のメインルートといえる「保月山コース」である。
越前大野の六呂師高原が登山口であるが、もう少し上まで車で上がることができる。
南六呂師の集落の手前から広域基幹林道・法恩寺線に入る。
しっかり舗装された道であるが、ブラインドコーナーが多く、道幅は狭いのですれ違いには注意が必要である。

林道に入って15分ぐらい進むと、銚子ヶ口展望広場に着き、ここがスタート地点となる。
20台ほどの駐車場があるが、7時半頃の到着は最後のスペースで、なかなか人気の山みたい。
ちなみに後から来た車は路上に駐車していたが、この付近は道幅があるので問題なさそう。

それにしても、周囲はすでに素晴らしい紅葉である。
これだと上の方はすっかり葉を落としていることになりそうだが…。

181103 経ヶ岳 (1)


ちなみに、展望広場というだけあって、なかなかの好眺望が広がっている。
正面に大野盆地と銀杏峰、部子山。
銀杏峰と部子山には昨年の冬に登っており、白山の眺望と真っ白な稜線が最高だった。

181103 経ヶ岳 (2)


荒島岳も大きく見える。
朝日に輝くススキがいい感じである。

181103 経ヶ岳 (3)


今回は山頂ランチのためにバゲットを持っていく。
ザックに差して登るのがちょっとした憧れ? だったので、自己満足(苦笑)

181103 経ヶ岳 (4)


8:00 銚子ヶ口展望広場(登山開始)
駐車場から少しだけ車道を歩くと登山口で、ここで麓から登って来るルートと合流となる。
歩き始めは、なかなかの急登である。
モザイク色の紅葉の中を登って行く。

181103 経ヶ岳 (5)


真っ赤な秋を見上げながら。

181103 経ヶ岳 (6)


紅葉はすでに終盤といった感じだった。
それでも、落ち着いた晩秋の雰囲気が堪らなくいい。

181103 経ヶ岳 (7)


30分ほどで「アダムとイブの木」に到着。
ブナとナラが寄り添うように立っている。
ここまで「あと何分」みたいな看板があったので、名所のひとつにしているようだ。
数人が休憩していて賑やかだったので、写真だけ撮って通過。

181103 経ヶ岳 (8)


黄色いベールを纏ったような森を進む。

181103 経ヶ岳 (9)


オレンジ色の秋。

181103 経ヶ岳 (10)


落ち葉を踏みしめる音も心地良い。

181103 経ヶ岳 (11)


1時間ほど登ると、最初のピークである保月山に到着。
保月山自体は木々に囲まれていて景色は楽しめず、小休憩して再出発する。

181103 経ヶ岳 (12)


保月山から少し進むと北西側の眺望が開ける。
向かい側に見えるのは法恩寺山で、その斜面の紅葉がすごい。
もっと陽が当たってくれれば、より鮮やかなんだろうけど、これもで十分きれい。

181103 経ヶ岳 (13)


このあたりまで来ると落葉が進んでいて、だいぶ冬の気配だった。
天気予報は快晴のはずなのだが、曇り空で寒々としている。

181103 経ヶ岳 (14)


ルートは急な階段や梯子が登場し、やや険しくなるが、難しい箇所はない。

181103 経ヶ岳 (15)


いつの間にかなかなかの高度を稼いでおり、眼下には大野盆地を見下ろすパノラマ。

181103 経ヶ岳 (16)


ちょっとだけ岩場の痩せ尾根があり、この区間は慎重に通過。
ちなみに、正面奥に見えているピークが目標の経ヶ岳である。

181103 経ヶ岳 (17)


笹の中の急登を登れば、ふたつ目のピーク、杓子岳である。

181103 経ヶ岳 (18)


9:50 杓子岳
杓子岳のピークは広場状になっている。
ここではじめて経ヶ岳の全容を見渡すことができるようになる。

181103 経ヶ岳 (19)


ピークの片隅にナナカマドの実。

181103 経ヶ岳 (20)


少し休憩して、次のピークである中岳を目指す。
ここからは緩やかな笹原の稜線を辿って行くことになる。
それにしても、このスケール感はなかなかのもの。

181103 経ヶ岳 (21)


急速に雲がいなくなって、青空が広がってきた。
経ヶ岳は白山よりも古い時代に活動していた火山らしい。
ここから見ると火口壁が壮観である。

181103 経ヶ岳 (22)


経ヶ岳を眺めながら、笹原の小径を行く。

181103 経ヶ岳 (23)


杓子岳から15分ほどで、中岳に到着。
写真だと分からないけど、日本海も見えていた。

181103 経ヶ岳 (24)


次のピークがいよいよ経ヶ岳となるが、本体に取り付く前に一度大きく下ることに…。

181103 経ヶ岳 (25)


北側に見える尾根の紅葉がきれい。

181103 経ヶ岳 (26)


目の前に迫る経ヶ岳は、かなり手強そうである。
笹原の中にしっかりと一本の道筋が見えているが、ほぼ直登でしんどいこと間違いなし。

181103 経ヶ岳 (27)


鞍部の切窓に向かって急斜面を下って行く。
この部分は滑りやすく、少々難儀した。

181103 経ヶ岳 (28)


さあ、最後の登りに掛かろう。
空模様はころころ変わって、また曇り空に戻っている。
取り付きは泥と刈り払われた笹で滑りやすく、なかなか大変な登りだった。

181103 経ヶ岳 (29)


杓子岳と中岳の稜線の下は大きな窪地になっていて、ここは火口跡の「池の大沢」。
紅葉は残念ながら落葉済みだった。

181103 経ヶ岳 (30)


下りは苦戦しそうだなと考えながら急登をこなして行く。
山頂がだいぶ近づいてきた。

181103 経ヶ岳 (31)


登るごとに、笹の稜線の浮遊感が増して行く。

181103 経ヶ岳 (32)


最後は比較的穏やかな斜面を登って山頂へ。

181103 経ヶ岳 (33)


11:00 経ヶ岳・山頂
ちょうど3時間で経ヶ岳・南峰に到着。
山頂柱の足元に置かれている看板には「古名 越前駒ヶ嶽」ともある。

181103 経ヶ岳 (34)


まずは眺望を楽しむ。
山頂の広場から少し北側に進むと、すでに冠雪した白山が良く見える。
ただ、御前峰や別山の上部は雲で隠れてしまっており、ちょっと残念。

181103 経ヶ岳 (35)


南側は、池の大沢から続く唐谷の紅葉が美しい。
あの中を登って来るルートもあるようだが、上級者向けの難路とのこと。
奥には霞んでいるけど、荒島岳や銀杏峰、部子山も。

181103 経ヶ岳 (36)


大野盆地の大パノラマと、そこに浮かぶ笹の稜線。

181103 経ヶ岳 (37)


福井の市街地方面。
肉眼では日本海がはっきりと見えていた。

181103 経ヶ岳 (38)


さてさて、今回の山行のメイン行事?ともいえるランチタイム。
アヒージョを作ってみた。これはマッシュルームとエビ。
担いでいたバケットが大活躍だった。

181103 経ヶ岳 (39)


ベーコンver.も。ミニトマトの酸味がよく合う。
山友が作ってくれたミネストローネも美味だった。

181103 経ヶ岳 (40)


お腹いっぱいになって下山開始。
隣の法恩寺山は、まだまだ紅葉が鮮やかだった。

181103 経ヶ岳 (41)


鞍部の切窓に向かい、一気に下って行く。
その後の登り返しがキツそうだ。

181103 経ヶ岳 (42)


対岸の斜面の紅葉はボリューム感たっぷり。

181103 経ヶ岳 (43)


晩秋の彩りを見下ろしながら。

181103 経ヶ岳 (44)


ナナカマドが鈴なりに。

181103 経ヶ岳 (45)


滑りやすい急下りは、やはり苦戦。
自分は1コケだった…。

181103 経ヶ岳 (46)


中岳へ登り返す途中から、振り返って見る経ヶ岳。
コンパクトながらもアルペンムードたっぷりのいい山だった。

181103 経ヶ岳 (47)


唐谷を滑り落ちるように紅葉の斜面。

181103 経ヶ岳 (48)


池の大沢には深い森が広がっている。
紅葉しているところを見てみたかった。

181103 経ヶ岳 (49)


曲がりくねった登山道は「笹原の回廊」とでも呼ぶべきか。

181103 経ヶ岳 (50)


程よく染まったミネカエデ。

181103 経ヶ岳 (51)


法恩寺山方面の紅葉は、登りの時よりも陽の回りが良くて、鮮やかな錦色に。

181103 経ヶ岳 (52)


秋色のパッチワーク。

181103 経ヶ岳 (53)


雲でできた明暗が、紅葉の鮮やかさを引き立てる。

181103 経ヶ岳 (54)


登山道も紅葉ゾーンまで下って来た。
若いブナが多いけど、なんだかホッとする色合い。

181103 経ヶ岳 (57)


逆光でオレンジ色の眩しい下山路。

181103 経ヶ岳 (58)


時々、頭上を見上げながら。

181103 経ヶ岳 (59)


アダムとイブの木も見上げてみる。

181103 経ヶ岳 (60)


葉っぱの状態はあまりきれいな個体ではないけど、色付きが素敵だったので。

181103 経ヶ岳 (62)


オレンジ色がいっぱい。

181103 経ヶ岳 (63)


駐車場に戻ってきて。
タイミング的に今年最後の紅葉、十分に満喫できた。
初心者のメンバーもこれをきっかけに、もっと山が好きになってくれるといいな、なんて思ったり。

181103 経ヶ岳 (64)


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