稜線に吹く風のむこうへ

その場所だけにしかない風景と出会うために山へ。写真で綴る山登りの記録と記憶。

武奈ヶ岳 - しっかり雪山、コヤマノ岳の霧氷とともに

武奈ヶ岳:山登りの記録

 日程:2021. 2. 11(日帰り)

 天候:曇り 時々 晴れ

 

コースタイム

 イン谷口 7:00 → 青ガレ 7:50 - 8:00 → 金糞峠 8:30 → コマヤノ岳 10:10 - 10:25

 → 武奈ヶ岳 10:50 - 11:30 → 八雲ヶ原 12:15 → 北比良峠 12:35 → イン谷口 14:00

 登山時間:7時間00分

Introduction:はじめての比良山系は雪山で

琵琶湖の西側、湖と接するように南北に連なる比良山地

初めてこの山域に足を踏み入れる。

今回、登ったのは比良山地の最高峰である武奈ヶ岳である。

 

馴染みのない関西圏で全然、土地勘がなかったが、意外と日本海が近く、冬はちゃんと雪が積もるとのこと。

現在では廃業しているが、かつては武奈ヶ岳にもスキー場が存在したという、そんな山域。

ということで、しっかり雪のあるタイミングを狙って山行決行である。

2日前にまとまった降雪があったようで、雪量はどんなものだろうか?

 

武奈ヶ岳登山は坊村から西南稜を登るコースが最も一般的である。

しかし、この山行では、琵琶湖側のイン谷口(なんか不思議な地名?)からコヤマノ岳を経由して山頂に目指すルートを選んだ。

その理由はコヤマノ岳の霧氷に期待してだが、果たしてどうだろうか?

コヤマノ岳に霧氷はあるか?

7:00 イン谷口(登山開始)

イン谷口の最奥の駐車場からスタートする。

6時半すぎの到着時は5台程度だったが、下山した時には一杯だった。

 

 

麓のこのあたりはしばらく降雪がないと溶けてなくなるようだが、2日前の雪が残っている。

 

 

10分ちょっとで大山口の分岐。

金糞峠を目指すので、ここは左である。

帰りは八雲ヶ原、北比良峠を辿り、右側から下りて来る予定。

 

 

前方上の木々が白くなっている。

登山口に着く前に軽く雨があったが、昨晩も雪が降ったのかな?

雪だとしたら霧氷は難しいかも知れない。

 

 

大山口から正面谷を詰めて行くと青ガレ

ここからしばらく岩屑の登りになる。

地図では破線ルートになっているが、落石とかの心配なのだろうか?

大きめのしっかりとした岩の道で、特に危険はないと感じた。

青ガレの途中で振り返ると、琵琶湖が朝の光で輝いていた。

ただ、登って行く上の方は曇りがちで、青空はないのが気掛かり。

 

 

青ガレの上部。

アイゼンを付けた方がいいかなとも思ったが、しっかり雪が積もってくれているおかげで、最後まで付けずに登って行けた。

 

 

8:30 金糞峠

スタートから1時間半で金糞峠に到着。

特に展望もなく、ここは素通り。

 

 

金糞峠から少し下って八雲ヶ原に向かう分岐。

コヤマノ岳に向かう場合、この橋は渡ってはいけない。

橋の向こうに道標があるので、見事に騙されてしまった。

比良は縦横無尽に登山道が通っているので、要所要所で注意が必要である。

 

 

橋は渡らず直進すると、すぐに奥ノ深谷を渡る別の橋が出てきて、こちらが正解。

 

 

コヤマノ岳に向かう登りに入る。

中峠を経由するルートもあるが、最短距離の南東側の尾根を行く。

ずっと樹林帯の中で景色は変わらないので、ここは淡々と登るのみ。

 

 

コヤマノ岳が近づくとブナの木が増えて来る。

この時間になると、少しずつ青空も見えるようになっていた。

ただ、霧氷はなさそうだな、とこの時は思っていた。

中峠から来る道(この時はトレースなし)と合流するとコヤマノ岳はもうすぐ。

 

霧氷を纏い輝くシンボルツリー

10:10 コヤマノ岳

コヤマノ岳はなだらかな広場になっていて、どこかの公園のような雰囲気である。

そして、ここまで見られなかった霧氷がまさかの登場。

気温が高めだったので、今回は諦めかけていたので、嬉しい誤算だった。

しかもいいタイミングで雲が切れて来たので、少し待ってみることに。

 

 

そして、雲の切れ間から光が差して、白く輝く霧氷に。

広々とした雪原も眩しくて、開放的な風景の中に美しい霧氷の木々。

 

 

この木はコヤマノ岳のシンボルツリーで「コヤマノクラウン」と呼ばれている。

たしかに弧を描くように伸びていて、王冠のような形である。

抜けるような青空にはならなかったものの、見たいと思っていた風景に出会えて幸せな時間。

 

 

地図とはズレている気がするが、コヤマノクラウンのすぐそばにコヤマノ岳の看板があった。

 

 

あまり成長はしていないが、美しく繊細な霧氷。

 

 

霧氷の風景を楽しんで、武奈ヶ岳に向かう。

雪面に映る木々の影がいい感じ。

 

 

正面に武奈ヶ岳の山頂を捉えた。

鞍部から見るとそこそこ高度差があって、距離は短いものの、最後はしっかり目に登ることになる。

青空はまたどこかへ行ってしまった…

最後の急登をこなして、ワサビ峠から来る西南稜ルートと合流すれば、山頂は目の前。

ここまで全然、人に出会わなかったが、坊村から登山者でなかなかの賑わいである。

 

残念ながら曇り空の山頂

10:50 武奈ヶ岳・山頂

スタートから4時間で武奈ヶ岳に登頂。

天気予報だと青空を期待していたが、いまいちすっきりしないのが残念。

それでも全方位、視界の開けた素晴らしい眺望のピークである。

 

 

コヤマノ岳と奥には蓬莱山。

蓬莱山には琵琶湖を一望できるトレイルがあるようなので、ぜひ行ってみたい。

 

 

西南稜は見るからに開放的で、人気なのが良くわかる。

 

 

北側に続くトレース。

正面には高島トレイルの北部の山々があるはずだが、霞んでしまって良くわからない。

 

 

東側の琵琶湖も霞んでいる。

 

 

登頂の証しに、てるてる坊主たちの記念写真を。

 

 

昼食休憩のあと下山開始。

もと来た道を戻る。

 

 

コヤマノ岳の手前で八雲ヶ原へ。

 

 

しばらく下るとスキー場跡に出る。

ゲレンデを勢いに任せて、駆けるように下る。

カメラのレンズ、曇っちゃった…

八雲ヶ原は湿原の広がる平地で、穏やかな雰囲気のある場所だった。

 

八雲ヶ原から少し登り返すと北比良峠。

視界が開けていて気持ちがいい場所だ。

武奈ヶ岳方面を見返すと空が増えて来ている、登山あるある…。

 

 

ここからは琵琶湖の眺望もばっちりだった。

 

 

ダケ道を下って大山口へ。

雪が溶けて来ていて、びちゃびちゃの区間が多かった。

ただ、泥んこになるような土質ではないので、それは救い。

 

 

山頂から2時間半での下山だった。

 

 

山頂での眺望は曇り空でもうひとつだったが、一番の目的だった霧氷は合格点で、まずまず楽しめた山行になった。

おまけ:競技かるたの聖地・近江神宮

朝、登山口に向かう時、湖西道路を走っていると「近江神宮」の看板を見つけて、テンションが上がっていた。

なんでかというと、ちょうどこの頃、アニメちはやふるにはまっていて、近江神宮は聖地だから。

勝手に近江八幡にあると思い込んでいたので、なんでここに?と驚いたが、これは運命。

ということで、帰りに寄って行くことに。

 

ちはやふる」は競技かるた百人一首)を題材とした漫画。

そして、ここ近江神宮は競技かるたの高校全国大会や名人戦、クイーン戦が開かれる場所なのだ。

アニメのオープニングや本編でも度々、登場する楼門。

競技かるたの大会会場、近江勧学館を見学。

千早ちゃんと詩暢さんもいた。(他のキャラもいたけど、くどくなるので割愛)

アニメで見たシーンがあちこちにあって、ちょっと感動。

 

この日もかるたの試合をやっていて、「ちはやふる」の世界を少し味わうことができた。

 

最後に ”ちはやふるおみくじ” を引いてみたり。

和歌は「みかの原」。

漫画だけの知識だと、正直、印象薄いけど…

ちなみに、おみくじは「中吉」だった。

(以上、おまけ終わり)

 

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<参考>

・ ヤマレコ:山行記録(登山地図など)

 

・ 比良比叡トレイル:比良山地の登山情報

 

・ 近江神社:競技かるたの聖地