日程 : 2018.12.9(日) 日帰り
ルート: 清内路高原ふるさと村自然園 → 南沢山 → 横川山(ピストン)
天候 : 曇り
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寒波が襲来した12月の週末、霧氷狙いで南沢山、横川山へ。
恐らく、それほど知名度は高くないであろう、この山たちがあるのは「阿智セブンサミット」の一角。
その中心的存在である恵那山から北側へ、稜線を辿った先に南沢山、横川山はある。
この山域で有名な霧氷といえば、「大川入山」だろう。
笹原の中に点在した霧氷の木々が「白い羊」に見えることで、人気を博しているようだ。
でも、こちらの山を選んだのは、写真で見たカラマツの霧氷があまりにも綺麗だったので。
今回の山行の結果から言えば、思い描いたとおりの霧氷に出会うことができた。
それは、ここにしかないのではと思える風景だった。
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登山口は阿智村の「清内路高原ふるさと村自然園」。
アクセスは中央道の園原インターで降りて、下道を15分ほど走ると到着となる。
写真は恵那山トンネル手前の神坂PAから見上げた恵那山。
ガスは掛かっているものの、これは狙い通り、霧氷確定だろう。
ふるさと村自然園は、テニスコートやバンガローなんかがあるキャンプ施設。
奥まで進んで、南沢山・尾根コース登山口の駐車場をに車を停める。
看板には「ひとり200円」の旨が書かれていたが、キャンプ場の管理室が無人だったので今回はスルーした。
シーズン外は不要と判断したが、本当に良かったかは定かでない。
8:10 清内路高原ふるさと村自然園(登山開始)
遅い時間ほど天気が良さそうだったので、スタートは敢えてゆっくりと8時。
スタートからしばらくは樹林帯の中を淡々と進む。
道はとても良く整備されていて、かなり歩きやすかった。
最初の目標、南沢山までは、およそ3.5kmの道のり。
その中間地点の手前にちょっとした急登が出てくるが、それほどの苦労はしない。
道中、看板は随所にあるが、距離表示はない。
廃道となっている沢コースとの分岐を過ぎると、早速、霧氷が現れ始める。
予報では晴れのはずだったが、あいにくの曇り空。
これではせっかくの霧氷が映えず、ちょっと残念である。
枝に付いた繊細な霧氷を観察してみる。
本当に、青空だったら最高なのに…
登山道にはうっすらと積雪があったが、滑るようなことはなかった。
晴れてくれないなら、モノクロの世界を切り取ってみよう。
しばらくはガスが抜ける気配なし。
南沢山が近づいてくると、樹林帯を抜けて見通しが利く場所も出てくる。
横川山方面の尾根もびっしり霧氷が付いているようだ。
晴れていればいい眺望が得られそうな道を進む。
10:10 南沢山
スタートから2時間で、あっけなく南沢山に到着。
周囲は相変わらずの真っ白で、ガスの中に阿智セブンサミットを示す看板が立っていた。
ピーク感はないが、晴れていれば見晴らしが良さそうではあった。
ここはあくまで通過点で、長居はせずに目的地の横川山へ向かう。
山頂そばのカラマツは霧氷の付きが分厚く、クリスマスツリーになりそう。
横川山へ向かう稜線を進み始めると、ここで不意にガスが取れて来るではないか。
向かいの尾根が水墨画のようだ。
このあたりは霧氷の生長が著しく、樹氷になってしまう勢いであった。
時折、うっすら青空も見えることもあるけど、なんとも惜しい状況。
きれいに並んだカラマツ霧氷。
このあたりから写真を撮る手が止まらなくなる。
ルートは笹原とカラマツ林が交互に現れる。
あるカラマツの林を抜けると、目の前の景色が大きく開けて…
これはすごい。
見渡す限りの霧氷の木々に、ちょっと感動してしまった。
時々、ガスが目の前を通り抜けていく中、浮かび上がる幻想的な世界。
立ち枯れにも霧氷。
ここは密度が高い。
笹原には霧氷が付かないので、緑色とのコントラストがいい感じ。
雪が積もってしまう前だけに見ることができる、期間限定の風景である。
もう撮影で立ち止まってばかりだが、急ぐ山旅ではないので、のんびりと行く。
写真的にはどうしても「晴れていれば、どんなに最高だったか…」と考えてしまうが、今、目の前にある風景を楽しもう。
緩やかにアップダウンを繰り返して、横川山に向かう。
斜面を駆け下りるように白い羊。
ここが山頂に向けて最後の登りである。
10:50 横川山
南沢山から40分掛けて、横川山に到着。
道のりとしては1km足らずなのだが、霧氷を堪能しすぎて、もっと歩いたような気になる。
山頂を示す看板にも霧氷が付いて、何て書いてあるのか読めない。
笹原に配置されたカラマツのラインが何とも秀逸な風景。
ちょっとメルヘンな世界にも感じてくる。
恵那山の方向は…、無念の視界不良である。
ひっきりなしに、ガスが稜線を越えて行った。
ただ、ガスが抜けそうな気配もあるので、ランチ休憩しながら待つことに。
富士見台高原の斜面は見事なまでのモコモコ。
笹原を貫く道を眺めて。
天気が良ければ、この道を歩いて富士見台高原まで行くことも考えていたが、中止かな。
晴れていれば、こちらの方向には御嶽山が見えるはずなのだけど…。
カラマツの霧氷は芸術的とも思えるモノクロの世界を作っている。
少し陽が当たっただけで霧氷はいっそう輝き、そのコントラストでまた雰囲気が変わる。
ランチしているうちに、いつの間にか恵那山が見えているではないか!
右上に映っているピークが富士見台高原。
どっかりと鎮座する恵那山。
大きく平らな山容が、この山の何よりの特徴である。
6月に登った神坂峠ルートの尾根が良く見える。
まだちょっとガスが邪魔をしているが、霧氷の森の向こうに中央アルプスの峰々も。
空木岳、南駒ヶ岳、仙涯嶺の山並みが一番クリアに見えた。
東の方角には、ずらりと南アルプスが並ぶ。
正面が北岳、間ノ岳、農鳥岳の白峰三山。
その左側には仙丈ヶ岳と甲斐駒。右側には塩見岳。
塩見岳からさらに南側も見え、悪沢岳、荒川岳、赤石岳、聖岳と並んでいる。
手前の霧氷と合わせて、ちょっと感動してしまう眺望だった。
※ この写真、ヤマレコ・Facebookページのカバー写真(週替わり)に採用いただいた。紅葉の三方岩岳に続いて2回目で至極光栄である。
結局、1時間半も山頂で過ごしてしまったが、そろそろ下山に掛かる。
帰りもまだまだ続く霧氷さんぽ。
今日は昼を過ぎても全く溶ける気配がない。
笹原と霧氷の森の境目を歩いて行く。
立ち枯れの霧氷もいい感じ。
あとは青空バックの霧氷が欲しいところ。
もう少しなんだけど、完全にガスは抜けてくれない。
霧氷のパノラマはそろそろお終いに近づいてきた。
見渡す限りに広がるカラマツ霧氷は、まさに圧巻だった。
尾根筋に陽が当たりできた明暗も良し。
たいぶ下ってきて、一瞬の青空が。
やっぱり霧氷は青い空に映える。
ちょっと遅かったが、今日はこれで満足としよう。
気温があまり上がらなかったおかげもあって、泥濘もなく快調に下ることができた。
横川山から2時間弱で下山完了となった。
駐車場の車は少ないままで、ガス気味だったとはいえ、登山者はそんなに多くなかった。
今回の山行はまさに狙い通り、最高の霧氷を堪能することができた。
すべてが真っ白になった雪山とはまた違った冬景色。
もっと人気が出てもおかしくない山と思うので、静かに楽しみたい人はお早めに。
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