稜線に吹く風のむこうへ

その場所だけにしかない風景と出会うために山へ。写真で綴る山登りの記録と記憶。

白山 - 夏の白山・花めぐり (Day 1 ; 2013.7.21)

 

ルート :
(1日目) 別当出合 → 砂防新道 → 御前峰 → 南竜ヶ馬場 (南竜山荘 泊)
(2日目) 南竜ヶ馬場 → 別山 (未踏) → チブリ尾根 → 市ノ瀬

天候 :
(1日目) 曇り (わずかに晴れ間) 
(2日目) 曇り 一時 雨

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7月の中盤、花の季節到来の白山へ。

砂防新道から御前峰に登り、南竜で一泊。
翌日、別山へ縦走して、チブリ尾根で下りて来る計画。

今年は太平洋側の梅雨明けが異様に早く(明けてからの雨も多かったけど)、
北陸地方もそれに続け!って願っていたけど、結局、予報は雨続き。
でもちょっと晴れマークも付いて、何とか曇りで持ちそうだったので予定通りに出発する。

週末はマイカー規制が行なわれるので、市ノ瀬からシャトルバスに乗り換え。
5時の始発便に乗れたが満員だった。白山は人気の山であることを実感。

20分ぐらいで別当出合に到着し、吊り橋を渡って砂防新道で室堂を目指す。

 


初めは樹林帯で、汗を垂らしながら黙々と登る。
飯場では不動滝を望むことができた。少し遠いが、落差が大きく立派な滝である。

 


樹林帯を登り続け、甚之助避難小屋あたりでいよいよ展望が開けてくる。
曇り空だったが、翌日に歩く予定の別山とチブリ尾根を一望できた。

 


そして、避難小屋から先は花がたくさん。道の両脇は色とりどりの花たちで溢れている。
まず目立つのはミヤマキンポウゲ

 


大きく広げた葉の上に、白くて大きな花が目を引くキヌガサソウ

 


小さな花が寄り添うように、ハクサンボウフウ。

 


こちらはヨツバシオガマ
山ではハクサンチドリかと思ったけど、違ったみたい。花は難しい…

 


淡い紅紫色が可愛らしいハクサンフウロ

 


お花畑の中を行く十二曲りは急な登り。
斜面にはニッコウキスゲの群落が黄色い帯を作っていた。

 


十二曲りを登り切ると黒ボコ岩で、振り返ると別山から長く伸びるチブリ尾根が良く見えた。
後方には荒島岳も見えている。

 


黒ボコ岩を過ぎると景色は一変して、広い草原の弥陀ヶ原に出る。
白山の主峰・御前峰を見上げながら木道を行く。
雪渓の方から涼しげな風が吹いてきているように感じた。

 


大好きなチングルマも登場。

 


弥陀ヶ原から五葉坂をもうひと登りで室堂に到着。たくさんの登山客で賑わっていた。
ビジターセンターの中を抜けると御前峰がもう手の届きそうな距離まで近づいた。
神社で手を合わせてから御前峰に向かう。

 


山頂への道も花がたくさんだった。
神社のすぐ脇に咲いていたクロユリ

 


足元の岩場の隙間で、イワツメクサが線香花火のような小さい花を咲かせていた。

 


オレンジ色の花が目立つクルマユリ

 


岩の隙間で頑張って咲いていたイワギキョウ。

 


ミヤマキンバイ。黄色い花は見ていると、なんだか力を分けてくれそうな気がする。

 


頂上までもう少し。
天気は9時ぐらいから晴れてくる予報だったけど、あいかわらずの曇り空だ。

 


そして、10時ちょうど。スタートから4時間半で白山・御前峰に登頂。
残念ながら青空とはならずも、展望はまずますだった。

 


室堂と別山方面。手前から明日歩く予定の稜線が続いている。

 


北アルプス方面を広角で。
雲が多めだが、穂高の稜線を遠く望むことができた。

 


御嶽山には雲が湧いていて、今にも飲み込まれそうだ。

 


立山方面は雲が少なめで、しっかりと稜線を目で追うことができる。
中央に尖った剱岳。その左側にあるのは後立山連峰、白馬岳だろうか?

 


山頂からの眺望を楽しんだ後はお池巡りへ。
御前峰の北側には、かつての火山活動でできた火山湖がたくさんある。

 


ガレ気味の斜面を下っていく。
正面に見えるのは剣ヶ峰。その下にはまだ半分、雪で覆われた紺屋ヶ池。

 


一番下まで降りたところにあるのが油ヶ池。荒々しい風景の中にある静かな水面。
空には少しだけ青空も見えてきた。

 


お池めぐりの中で特に印象的だったのが翠ヶ池。
池の淵から溢れてしまいそうで、でも、静かに水を湛えている。
研ぎ澄まされた空間というか、どこか神秘的な感じがした。

 


でも、そんな池のそばにもチングルマのお花畑。
一転、心ほころぶ場所である。

 


チングルマコイワカガミの競演も。

 


今回は登らなかった大汝峰を横目に、室堂へ戻る。
途中、百姓池の周りもお花畑になっていた。
山頂の賑わいからは考えられない、とても静かな場所だ。

 


ここで、楽しみにしていたハクサンコザクラに出会うことができた。
淡い紫色の花びら。すぐさま好きな花の仲間入りに。

 


ミヤマキンバイの群落やコバイケイソウ、たくさんの花を眺めながら、ゆっくり山散歩。
写真を撮りすぎて随分と時間が掛かってしまったが、それで良し。

みんな御前峰で引き返してしまうのだろうか?
こちらまで来る人は多くなく、おかげで色んな花にじっくりと向き合うことができた。

 

 

室堂で昼休憩を取り、本日の宿泊地である南竜ヶ馬場に向かう。
ビジターセンターの情報だとトンビ岩コースには雪が残っているようで、展望歩道を選んだ。

平瀬道との分岐までもお花畑が続く。

 


ハクサンコザクラコバイケイソウの葉っぱの競演。
柔らかな若芽に包まれるように。

 


やがて、ガスが出てきてしまい、アルプスの見えない展望歩道を行く。
今回はエコーライン経由が正解だったかな。(コースタイムは20分ぐらい短いし。)
途中、コバイケイソウの群落と眼下に白水湖。

 


最後の方は樹林帯に入って、疲れてきたこともあり、かなり長く感じた展望歩道。
南竜の草原に飛び出したら、なんだかほっとした。

 


日曜の南竜山荘はそれ程の混雑でもなく、ゆっくり過ごすことができた。
明日は昼過ぎから雨の予報。午前中はなんとか持ちそうだが…

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(1日目) 別当出合 → 砂防新道 → 御前峰 → 南竜ヶ馬場 (南竜山荘 泊)
(2日目) 南竜ヶ馬場 → 別山 (未踏) → チブリ尾根 → 市ノ瀬