稜線に吹く風のむこうへ

その場所だけにしかない風景と出会うために山へ。写真で綴る山登りの記録と記憶。

御在所岳・鎌ヶ岳 - 奇石と鋭鋒、鈴鹿山脈の代名詞を駆ける

御在所岳・鎌ヶ岳:山登りの記録

 日程:2013. 4. 20(日帰り)

 天候:晴れ のち 曇り

 

コースタイム

 中道登山口 6:15 → キレット(6合目) 7:25 → 朝陽台 8:20 → 御在所岳 8:35 - 8:45 

 → 武平峠 9:35 → 鎌ヶ岳 10:25 - 10:50 → <長石尾根> → 中道登山口 13:00

 登山時間:6時間45分

Introduction:はじめまして、鈴鹿の山々

2013年、春。

1年半の予定で仕事の取引先に出向となり、単身赴任で愛知県に引っ越してきた。

これをチャンスとばかりに、山に登りまくろう…

というわけにもいかないけど、折角なので、こちらからの方が行きやすい山に、できればたくさん登りたいと思う次第。

 

まずは初見の鈴鹿山脈。

実際には、この前週に初鈴鹿藤原岳に登っているが、内容の濃さ的に割愛。

位置関係とか山のレベルで考えると、神奈川の丹沢にちょうど良く似たポジションの山域。

春先の足慣らしに適当そうな山がたくさんある。

 

今回、登るのは、鈴鹿で最もメジャーな山ともいえる御在所岳である。

山頂までロープウェイがあるので、完全に観光地の様相なのだが、一度は登っておかないと。

鎌ヶ岳をセットにして周遊コースにすれば、なかなか登り応えもありそう。

ちなみに、どちらの山も鈴鹿セブンマウンテン」と称される鈴鹿の名峰? にエントリーされている。

奇石めぐりの中道で御在所岳

御在所岳へ至るルートは数多くあるが、その中から選んだのは"中道"ルート。

道中、いくつか奇石が見られるということで、それが楽しみ。

 

車は鈴鹿スカイライン沿いの一ノ谷山荘そば(登山口のベストポジション)に停める。

6時ちょうどで、6台ぐらいのキャパのラスト2台に滑り込みセーフ。

 

6:15 中道登山口(登山開始)

御在所岳へはコースタイムで3時間ぐらい。

いざ参らん。

 

 

スタートからいきなり花崗岩が崩れた急な登りで、一気に息が上がった。

そんな中、見つけたのがアカヤシオ

これはちょっと予想外だったが、あちこちに咲いていた。

勝手にシロヤシオと同時期だと思い込んでいた…

 


40分ぐらい登ると最初の奇石、負ばれ岩に出合う。

名前の由来は、四角い大きな岩がもうひとつの岩を背負われているように見えることから。

 

写真では伝わらないかも知れないが、かなり大きい。

負ばれ岩からは奇石の連続で、岩場の登りも楽しくこなして行く。

時々、展望が開けて御在所岳の山頂部が見えた。

ロープウェイの鉄塔が白く輝いている。

 


眼下には四日市のコンビナートを見下ろす。

伊勢湾が朝の光で少しだけ赤く染まっていた。

 


御在所岳のあとに向かう鎌ヶ岳も見え始める。

鎌ヶ岳は尖がっていて、どこから見ても存在感のある山。

 


そして、このルートで最大の見所、地蔵岩が登場。

これは…、誰かが意図的に載せたとしか思いようがない !?

 

落ちないか、ちょっと心配になるくらい。

いやいや、別にSF的なものを信じてるわけではないのだけど、絶妙すぎるバランス。

一体どうやって、こんな造形が出来あがったのだろう?

自然の力ってすごい、というか不思議すぎる。


地蔵岩を過ぎて、スタートから1時間ちょっとで6合目。

ちなみにこの向こうはキレットになってて、けっこう急な岩場下り。

少し緊張しながらクリアして、御在所岳の山頂部に向かう。

 


下の方に登ってきた奇石群の尾根。

このコースは、いたるところに岩の景勝が見られて面白い。

 

 

ロープウェイの架線越しに見える鎌ヶ岳が、目線と同じくらいの高さになってきた。

 

 

花で良く見かけたのは、ショウジョウバカマバイカオウレン

バイカオウレンはあちこちに群生していた。

 


富士見岩まで登ってくると、ロープウェイ乗り場はすぐ近く。

観光用の舗装路が現れるけど、そのあたりはがっかりしてはいけない…

自分が好きで歩いて登って来たんだからね。

突如、アルプスを思わせる草原が、って、単なるスキー場のゲレンデだったりする。

山頂への最短ルートと思われるスキー場の斜面を突っ切って行く。

 

 

8:35 御在所岳

そして、御在所岳の山頂に到着。

まだロープウェイが動いていないので、数人の登山客しかおらず、静かだった。

 


ここでちょっと休憩して、鎌ヶ岳に向かう前に見晴らしの良さそうな望湖台に寄り道。

肉眼では琵琶湖が薄っすら見えていたが、写真ではわからないかも…

先客の男性、岩から足をぶらり投げ出して気持ち良さそう。

 

鈴鹿の鋭鋒、鎌ヶ岳に向かって

次は鎌ヶ岳へ。一旦、武平峠に下ってから登り返すことになる。

途中、アセビの花が鈴なりになって咲いていた。

 


武平峠まで、アセビ以外に花らしい花はなかったが、

正面に尖った鎌ヶ岳の眺めが良く、なかなかのアルペンムードを楽しめた。

 

 

途中には、結構アスレチックな岩場を降りていく場所もあった。

 


武平峠を過ぎて、鎌ヶ岳に向けて再び登りに入る。

このあたりのアカヤシオはまだ蕾だったが、代わりに咲いていたのがハルリンドウ

とても小さくて可愛らしいし、淡い青色がきれいで、この花が好きになった。

 


それほど息が上がることはなく、鎌ヶ岳の山頂が近づいてくる。

山頂直下は、けっこう崩れている。

 


ここの崩落地のトラバースはちょっと危ないかも。

一歩一歩、歩くたびに崩れていき、通過に気を使った。

山頂から下って来た家族連れも、かなり苦戦していた。

 

 

10:25 鎌ヶ岳

そして、御在所岳から1時間半と少しで鎌ヶ岳に登頂。

 


いつの間にか空は雲が支配的になってしまっていたが、なかなかの眺望。

水沢岳(宮越山)に続く鎌尾根。

結構、険しそうだが、歩いている人がたくさん見えた。

 


こちらは先ほど歩いた御在所岳

御在所岳の山頂はこちら側から見ると平らなんだ。

下山に使った長石尾根はザレた急斜面が多く、疲れた。

それでも花が多く咲いていたので、写真を撮りながらゆっくりと。

一箇所だけイワウチワが咲いていた。

アカヤシオ御在所岳

ハルリンドウ。名前のとおり、春を感じることができる色。

長く急な下りを終えて沢を渡ったら、林道を10分ぐらい歩いて一ノ谷山荘に戻ってゴール。

御在所岳を含めて、思っていたより花が多くて良かった。

イワカガミは葉っぱがたくさんあったので、咲いたらすごいことになりそうな気配だった。

鈴鹿の山って結構いいな。

お手軽はあるけど、なかなか登り応えあるし、何より登っていて楽しい。

これは単身赴任中にセブンマウンテン制覇しておかないといけないかな。

ちなみに、藤原岳御在所岳、鎌ヶ岳、これで早くも 3/7 踏破なり。

 

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<参考>

・ ヤマレコ:山行記録(登山地図など)

 

御在所ロープウェイ:今回の山行では使用していないが、御在所岳の情報多数。