稜線に吹く風のむこうへ

その場所だけにしかない風景と出会うために山へ。写真で綴る山登りの記録と記憶。

川苔山 - 晩秋の彩り、落ち葉の百尋の滝から川苔山へ

f:id:masa_o-chiku:20220410203126j:plain

川苔山:山登りの記録

 日程:2011.11.13(日帰り)

 天候:晴れ のち 曇り

 

アクセス

 駐車場:JR鳩ノ巣駅 → 電車:JR奥多摩駅 → バス(東日原行き):川乗橋

 ※ 川苔山登頂後、鳩ノ巣駅へ下山すれば周回コースとできる。

 

コースタイム

 川乗橋バス停 7:40 → 細倉橋 8:25 → 百尋の滝 9:40-10:00 → 足毛岩の肩・分岐 10:40

 → 川苔山山頂 11:20-11:55 → 舟井戸 12:10 → 大根ノ山ノ神 13:30 → 鳩ノ巣駅 14:10

 登山時間:6時間40分

Introduction:晩秋の奥多摩

11月2週目の日曜日、シーズン最後の紅葉を目指して奥多摩へ。

 

初の奥多摩ってことで色々と調べると心惹かれる山がたくさん。

百名山でもある雲取山を中心に、なかなか山深い山域なんだと知る。

東京の山っていったら ”高尾山” のイメージだったけど、これから長く楽しめそう。

 

いくつか候補があったが、最終的に決めたのは川苔山

紅葉がすごい、って感じではなかったが、渓谷や滝を巡るコースが楽しそうだったのが決め手になった。

 

ちなみに、国土地理院地図では ”川乗山” と表記されているが、”川苔山” が正しいらしい。 

 

クルマで向かったのは鳩ノ巣駅

駅の西側に町営の駐車場があり、ここに停める。

そして、電車で奥多摩駅、 さらにバスに乗り継いで川乗橋を目指す変則的なアプローチ。

これで山頂を経由して鳩ノ巣駅に戻れば、周遊コースが完成することになる。

 

乗客もまばらな電車に乗って、奥多摩駅に着いたのは7時ちょっと前。

バスの出発まで30分ぐらいあったので、軽くストレッチをして時間を潰す。

バス停に並んでいるのは10人程度だった。

川苔山は奥多摩の中でも人気と聞いていたので、 ちょっと拍子抜け?

と思ったら、バスの発車時間の直前に到着した電車からたくさんの登山客。

どうやら新宿からの快速で来る人が多いようだ。

 

あっという間にバスは満員になり、臨時の便が出る程に。

奥多摩駅を出発して15分ぐらいで川乗橋のバス停に到着。

ここで乗客の半分ぐらいが降りた。

秋色に溢れる渓谷美を楽しみながら

7:40 川乗橋バス停(登山開始)

バス停の前が登山道に向かう林道の入り口で、次々とハイカーが出発。

僕はその一団をやり過ごし、一番最後になってから、ゆっくりと歩き始めた。

 

f:id:masa_o-chiku:20220305110917j:plain

 

すぐに程よく色づいた木々が現れ、 紅葉の時期としてはバッチリだった。

 

f:id:masa_o-chiku:20220305112505j:plain

 

しばらくは舗装された林道を緩やかに登っていく。

 

f:id:masa_o-chiku:20220305113320j:plain

 

文句なしの青空を見上げると予想以上にきれいな紅葉で、赤、黄、緑の錦色。

正直なところ、奥多摩の紅葉をちょっと侮っていたかも。

もちろん、こういう想定外は大歓迎。

 

f:id:masa_o-chiku:20220305134332j:plain

 

林道をゆっくり40分ぐらい歩き、「細倉橋」からはいよいよ登山道。

川乗谷に沿って進む道が始まる。

 

f:id:masa_o-chiku:20220305134753j:plain

 

よく整備された道だが、片側は谷に向かって切れ落ちている。

美しい紅葉を見上げてばかりだから、足元への意識がおろそかにならないように注意。

 

f:id:masa_o-chiku:20220305140251j:plain

 

桟橋で渡る沢が落ち葉に埋もれていた。

立ち止まって沢音に耳を澄ますと清々しい気持ち。

f:id:masa_o-chiku:20220305142221j:plain

少し揺れる桟橋の上で息を止めてシャッターを切った。

登って行くに連れて木々の色づきも増していく。

 

f:id:masa_o-chiku:20220305143029j:plain

 

前日に雨が降ったのか、少ししっとりとした空気感。

 

f:id:masa_o-chiku:20220305143707j:plain

 

f:id:masa_o-chiku:20220305143721j:plain

 

空を見通せる場所からは、鮮やかなモザイク模様のような秋色。

 

f:id:masa_o-chiku:20220305144334j:plain

 

自然に囲まれた名瀑 百尋の滝

9:40 百尋の滝

いろんな秋の色に溢れた渓流めぐりの最後に待っているのが「百尋の滝」。

木々の向こうから大きな水音が聞こえてきて、鉄梯子の急斜面を下り滝壺に降りると、思い描いていた以上に立派な滝があった。

 

f:id:masa_o-chiku:20220305145130j:plain

 

谷に囲まれて、滝音が響き渡る百尋の滝。

なかなかの落差があり、水の飛沫とともに軽く風圧を感じるくらい。

ひんやりと冷たい風が吹きぬける水辺の岩に腰掛け、 滝を見ながら休憩。

この場所は、あまり紅葉がなかったけど、落ち葉がいい演出をしていた。

f:id:masa_o-chiku:20220305150530j:plain

新緑の季節とかもいいだろうな。

さて、百尋の滝から先は沢を離れて、急登がが始まる。

木々も針葉樹がメインに変わるが、ところどころでは真っ赤な紅葉も楽しませてくれた。

 

f:id:masa_o-chiku:20220305151707j:plain

 

足毛岩の肩への分岐を過ぎた後は沢沿いの道。

倒木が苔むした雰囲気のある道だが、このあたりまで登ってくると、もう紅葉は終盤。

 

f:id:masa_o-chiku:20220305152126j:plain

眺望はお預けの川苔山・山頂

最後は沢から尾根へ一気に登り詰めて、息も絶え絶えになった頃、視界は開けて山頂へ続くなだらかな尾根に出た。

ここまで来れば、もうひと踏ん張り。

 

f:id:masa_o-chiku:20220305152606j:plain

 

11:20 川苔山 山頂

それなりの達成感を感じながら山頂到着。

渓流や滝の写真を撮りながらのゆっくりペースだが、3時間40分での登頂。

ここの看板は “川乗山” となっていた。

 

f:id:masa_o-chiku:20220305154011j:plain

 

朝の天気から、山頂では富士山が見えるかなと期待していたけど、いつの間にか空は雲に覆われていてちょっとがっかり。

雲取山に続く石尾根は良く見えていて、いつかはあそこも歩いてみたいと思った。

 

f:id:masa_o-chiku:20220305154558j:plain

 

山頂はかなりの大盛況だった。

運良くベンチが空いたので、ザックを下ろして昼食タイム。

お腹は満たされたけど、11月の奥多摩の風は思ってた以上に冷たかった。

体は寒くなるばかりなので、早々に下山に取り掛かかる。

 

一旦、登ってきた尾根を戻り、今度は鳩ノ巣駅方面へ。

落ち葉の積もった道をカサコソと下っていく。

 

f:id:masa_o-chiku:20220305155121j:plain

 

「舟井戸」を過ぎると、すぐに道は植林の中に。

杉林はなんか陰気な感じがしてあまり好きでないのだけど、 ここは暗くないし、悪くない。

とはいえ、当然、展望は開けず、まだまだ距離も長い。

徐々に疲れも増して、ここは修行と思って歩き続けた。

 

f:id:masa_o-chiku:20220305155720j:plain

 

途中、「大根ノ山ノ神」という場所では小さな祠が祀ってあった。

 

f:id:masa_o-chiku:20220305160205j:plain

 

その先は杉の木がかなり立派で、並木道みたい。

まだ時間はそれほど遅くなかったけど、晩秋の陽は傾くのが早い。

その並木道に斜めに差し込む光がやけに優しくて、なんだか嬉しい。

 

f:id:masa_o-chiku:20220305160847j:plain

 

最後の最後、鳩ノ巣の集落に出るところで、この日、一番の激坂下り。

膝がガクガクの状態で小さな神社の脇に飛び出れば、 境内は “銀杏地獄”。

これはもう避けようがなく… 苦笑

 

そのあと、登山靴が大変なことになったのは言うまでもないのだけれど、それも今になればいい思い出。

f:id:masa_o-chiku:20220305161746j:plain

最後に、今回の山行のお土産

<参考>

・ ヤマレコ:山行記録(登山地図など)


鳩ノ巣駅 町営駐車場:30台程度(無料)